暦の上では・・・
今日1月15日は「旧・成人の日」です。
今では連休増大計画によって成人の日は1月の第2月曜となってしまいましたが、私が子供の頃は1月15日(まあ最近までそうだったのですが)の固定制でした。
これは子供にとって、クリスマス・イブ、大晦日、お正月といった大きなイベントが通り過ぎた後の寂しさを癒すのに最適な日にちでした。
なにしろ前日の1月14日は小正月で、私の地方では「どんど焼」というものが行われるのです。(この行事は地方によって呼び名や内容が変わるのでしょうが、わりと多くの地方で似たような行事が行われているようです。きっとみなさんのところにも小正月の行事があることでしょう)
「どんど焼」はお正月飾りや書初めの紙を燃やし、その火で竹に刺したダンゴを焼いて食べます。
書初めをどんど焼のときに燃やすと字がうまくなると言われているのですが、当然燃やしただけで字がうまくなるはずもなく、結局下手な書初めをみんなに見られて恥をかくだけで終わってしまいます。やめた方がいいです。
当日夕方になると各町内の広場でどんど焼が始まります。町内会の役員のおじさんがお正月飾りなどを広場の中央に積み上げて火を点けます。そして子供たちは竹に刺したダンゴをその火にかざしてススだらけにしたり、または火に突っ込み真っ黒コゲにしたり、さらには灰の中に転がして灰だらけにしたりと、いずれにしても元のダンゴの色など分からなくなってしまった物体を、よろこんでほお張ったものです。
なにしろそのダンゴを食べると風邪を引かないと言われているのです。インフルエンザの予防薬としてぜひ養鶏場のニワトリにも食べさせたい一品です。(効能については未確認の情報です。使用に際しましては医師、薬剤師、獣医にご相談下さい)
さて、そんな楽しいどんど焼の翌日が祭日でお休みというのは、子供たちにとっては最高の設定です。
しかも!
しかも1月15日には年賀ハガキの「お年玉抽選会」があるのです!
その日は朝からそわそわして当選番号の発表を待ちます。
そしてテレビのニュースで当選番号が発表されると、画面を凝視したままの状態でウラの白い広告かなにかに番号を書き写します。とにかく画面が切り替わるまでの短い時間で書き写さなければならないので、手元を見ている余裕がありません。そのため小さなメモ用紙などでは足りないのです。小さな紙では知らず知らずのうちにコタツ板の上に字を書いてしまったりするからです。ここは思う存分に書きなぐれるウラの白い広告がいいのです。
ところがです。こんなに期待と努力を積んでも、末等の切手シートが当たるのが関の山で、1等の自転車なんて決して当たりません。あれは本当に当たるのでしょうか?少なくとも私の周りで1等が当たった人はいません。いたら手を上げて下さい。
ですから中学校の時に切手シートよりひとつ上のランクの賞品が当たったときはものすごく嬉しかったのを思えています。
なにしろ末尾3桁の数字が合わなければもらえない賞品が当たったのです。つまりどういうことかと申しますと、千人にひとりしか当たらないのです。もっと分かりやすく「千人」という人数を説明致しますと、ラグビーなら約67チーム分、サッカーなら約91チーム分、野球なら約111チーム分、6人制バレーボールなら約167チーム分、相撲なら1000チーム分なのです。早い話「かなり選ばれた人」にしか当たらないのです。
当時の郵政省が「かなり選ばれた人」または「千人の力士の頂点に立つ人」にくれたのはレターセットでした。それは便箋と何枚かの封筒がセットになっているだけのものでした。
しかし私は、その千人にひとりにしか当たらないレターセットを使うのが惜しくて惜しくて、後生大事に机の引き出しの奥深くしまい込み、ついに使うことができなかったのです。もしまだそれが残っていたら、私が死んだときに棺おけに入れて欲しいものです。
きっと全国には私の他にも、そんな超セコい「千人のうちのひとり」がいることでしょう。
これじゃあせっかく当たった意味がありません・・・
まあそんな訳で、当時の子供にとっては「どんど焼」「成人の日」「お年玉年賀ハガキ抽選会」の三連発は、正月ボケに終止符を打つ大切な年中行事でもあったのです。
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さて、今の「第2月曜日方式」は、私としては連休になるのでそれはそれでいいと思うのですが、高校時代の友人の飯山君のことを思うと、素直に喜ぶわけにはいかないのです。
飯山君は1月15日に生まれたので、名前を成人(なりひと)といいます。そうです、ご両親は「成人の日」にちなんで「立派な成人となるように」との願いで名前を付けたのです。
ところが、あろうことか成人の日は「固定日にち制」から「変動日にち制」に移行となり、毎年毎年ジプシーのようにさまようことになってしまいました。
こうなると飯山君は名前の由来を聞かれてもうまく答えられなくなってしまいます。かといって1月15日にちなんで「115R(いいこライダー)」とかに改名するわけにもいかないでしょう。
それでは飯山君はもう一生、自分の名前の由来を胸を張って説明することはできないのでしょうか?
いいえ、そんなことはないはずです。
なにしろ毎年日にちと曜日は少しずつづれて行くのです。
つまり!
1月15日が月曜日に当たる年が必ず来るということなのです!
ですから普段飯山君は名前の由来を聞かれても黙秘権を貫き通し、1月15日が月曜日になる年をじっと待つのです。そしてついにその年がやって来たら、「あのさあ、前に聞かれたボクの名前の由来なんだけどさあ・・・」と説明すればいいのです。
どんなもんです!
なんにでも必ず解決策はあるものなのです。みなさんもどんな苦境に立たされても決してあきらめてはいけません。
それでは、はたしていつ飯山君は胸を張って名前の由来を説明できるのか調べてみましょう。
え~と・・・来年の1月15日は・・・土曜日・・・
2006年は・・・日曜日・・・・
2007年は・・・・
やった!やりました!
なんと2007年の1月15日は月曜日でした!
飯山君、あと3年の辛抱だよ。がんばれ!
あれ?
あれれ・・・・
2007年の1月15日はたしかに月曜日なのですが・・・
第3月曜日でした・・・・
どうやら今の制度では、1月15日が成人の日になることは二度とないようです。
飯山君・・・
君は今日から「115R」だ!
それでは今週はこの辺で失礼致します。
また次回にお会いしましょう!