ジャグダルプルは山の中の田舎町ですので、観光資源と言えば先住民族(の伝統文化)や豊かな自然くらいなものです。
まあ私もここには先住民族の伝統工芸を見に来たわけで、それが見られれば特に文句はないのです。(そりゃあ携帯電話での会話に夢中になって、滝の案内をぜんぜんしなかったパテルにさんざん文句を言いましたが・・・それはまあそれですよ)
しかし案内する方の身になると、できるだけの「見どころ」に連れて行きたいというのが人情というもので、この日のドライバー氏もそういった数少ない「見どころ」にこまめに車を回してくれました。
ということで、そんな「見どころ」を三つまとめてご紹介させて頂きます。
ここはこの地方のマハラジャの屋敷、つまりマハラジャ・パレスです。この建物の奥半分には今でもマハラジャとその家族が住んでいるそうで、手前の部分は地方政府のオフィスになっているとのことです。さらにメディカル・スクールも同居しているということで、まるでここらの重要なものが全部まとめてぎゅっと詰め合わされたような建物なのです。
こうしたマハラジャ・パレスはよく宝物博物館みたいにして一般開放(有料ですが)していたりするのですが、ここはまだそんなことはしていないようで外観しか見られないのです。
こちらはジャグダルプルの町から少し郊外に出たところにある、ヒンドゥー教寺院のヴァラジー・テンプルです。シヴァ神を祀るこの寺院の本殿の外側には四つの車輪が付けられ、四角い本殿すべてを車に見立てているようです。
この寺院はまだできて間もないのか、どこもカラフルな色で塗られてとてもきれいです。
特に本殿の外壁やそれを取り囲む回廊に配された数々の神像は、どれもみな今風アニメのキャラクターのような面持ちで、色も明るいパステル調で塗られていたりするので、まるでどこかのテーマパークにいるような楽しい気分になります。もしかしたらこれは、本来ヒンドゥー教徒でない先住民族の人たちを改宗させるために考え出されたものなのかもしれません。
ここでもドライバー氏はお祈りの為に本殿に入って行きましたが、私はちょっと入りづらい雰囲気がありましたので、外で待っていることにしました。お祈りを済ませて出て来たドライバー氏は、また何かお供物のようなものをもらったようで、その手に乗ったものを私の方に差し出して、「食べますか?」みたいな仕草をするのですが、見ればそれは炊いたご飯になにやら混ぜ合わせたものだったので、丁重にお断りさせて頂きました。
さて、こちらは先ほどのカラフルな寺院とは打って変わって、かなり年季の入ったヒンドゥー寺院です。ドライバー氏は「ナランパル」と言っていましたが、それがこの寺院の名前なのかはよくわかりませんでした。さすがにこうした建物を見るときにはガイドにいて欲しかったなあと思いますが、とは言えどうせパテルじゃこの寺院の建てられた年代や時代背景、建築様式やその特徴などといったものの説明なんか期待できないでしょうねえ・・・
とにかくそのパテルですら今はいないので、自分の想像で見ていくしかないのです。石を積んで造られたらしいこの古い寺院は、もうだいぶ前に礼拝の場所としての機能を失っていたらしく、周りには建材として使われていたらしい石がたくさんころがり、本殿の屋根が修復作業の真っ最中らしいのです・・・と、たくさんの「らしい」で全体像がぼやけていますが、まあそんなところなのです。
とまあそんな感じで前回ご紹介のダンテソーリー・テンプルと合わせて四つの「見どころ」を駆け足で見て参りましたが、この後われわれはこの地方で一番の観光名所である大きな滝、チトラコートの滝へと車を進めて行くのであります。
*実際には最後の古びた寺院はチトラコートの滝の後に回ったのですが、それだけ別個にご紹介するにはあまりにも情報がありませんでしたので、こちらでまとめてご紹介させて頂きました。
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