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2006年5月19日:パインズクラブ通信 第201号

         
  • 公開日:2022年8月12日
  • 最終更新日:2022年8月20日

暦の上では・・・

沖縄での梅雨入りや台風1号の発生など、季節は着実に夏に向かっておりますが、こちらは最近天気がぐずつき気味です。毎日のように雨が降り、気温も低めで肌寒いくらいの陽気です。
今日もこれから雨になり、雨脚も強くなるとの予報でした。
みなさま、寒暖の差でお風邪など召しませんように、どうぞご注意下さい。

さて、当店のメルマガ200号達成に際しましては、各方面から多数のお祝いのお言葉を頂き、誠にありがたいことだと感謝しております。

そんなお祝いのお言葉を投げかけてくれた方々に、なにかお礼がしたいなあと思案致しました結果、先日私が浅草寺でみごとに引き当てたおみくじ「半吉」の運をお分けすることに致しました。

と申しましても、皆様に均等に分けてお配り致しますので、お一人様あたり「半吉」の二分の一ずつ、つまりは「四分の一吉」となりますこと、何卒ご容赦願います。

では、これより半吉分配の儀、執り行わせて頂きます。

どうぞ頭をお下げ下さい。


むぉぉぉぉったぁいなくもありがたきぃぃぃおことばぁぁぁぁ~
おんたまわりましたるぅぅぅぅみなさぁぁぁぁまにぃぃぃぃぃ~
よんぶんのいちきちきっちりかっちりわけあたえんことぉぉぉぉぉぉ~
かしこみかしこみもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉすぅぅぅぅぅぅぅぅ~


どうぞお直り下さい。

これにて、半吉分配の儀、滞りなく執り行われました。

本日は、おめでとうございました。

あっ、

浅草寺で買ったおみくじだから、仏式でやらにゃあならんかったですね。

ボンジュール、マダァ~ム。

えーと・・・

先日、インド大使館へ行って参りました。

インド大使館は最近、良くない方のニュースで取り上げられたりしておりますが、私は特にそのこととは関係なく、ただ単にビザの申請に行って来たのであります。

インド大使館は、地下鉄の九段下駅から歩いて5分の千鳥ヶ淵にあります。
ここは春には桜の花が咲き乱れ、それはそれはきれいなポイントになるのですが、花のない季節は人通りもあまり多くなく、とても静かなところです。

私はいつもインド大使館に入るとき思うことがあるのですが、それは「おいおい、なんか無用心じゃないか?」ということなのであります。なにしろインド大使館は、敷地に入る門が開けっ放しで門番もいないのです。
まあ、その状況から「日本は本当に平和な国なんだなあ」と再認識することもできるのですが、それにしても一国の在外公館であり、治外法権を有する特別地域である大使館が、まるで春のおだやかな日差しの中、おばあさんとネコが縁側で日向ぼっこを楽しんでいるような、そんな田舎の民家みたいな開けっぴろげの状態で、はたして良いものなのでしょうか?
少なくとも本国インドはたくさんの問題を抱え、常にテロ行為に警戒しなければならない情勢なのです。人の集まる場所には必ず金属探知機のゲートがあったり、銃を持った警察、兵隊、警備員などを、そこらじゅうで見かける国なのです。

なのに在日本インド大使館ときたら、あんなにあけっぴろでさ、警備員も立っていなくてさ、縁側でおばあさんとネコが日向ぼっこを・・・それはさすがにないですけど、とにかく誰でも出入りし放題という状況なのです。

そりゃあ、あまり厳重に警戒されても入りづらいですが、せっかく「大使館」という、なんか特別っぽいところに行くのですから、入り口で身分証明書を見せて入館証をもらうとか、額に赤い印をつけてもらい、頭にターバンを巻いてゾウで入場するとか、とにかくなにかそんな演出で気分を盛り上げてくれてもいいのではないかと思うのであります。

ということで、今回も何事もなくインド大使館の敷地に足を踏み入れ、誰に呼び止められることもなく大使館の建物に入りました。

ビザ申請の部屋はズラリと並んだ椅子が全部入り口の方に向いており、当然そこに座る人々もこちらを向いているわけで、そのためそこに入る時はちょっと緊張します。

しかしその日は肩透かしを食らいました。
なんとそこには7、8人の人しかいなかったのです。
こんなことは初めてです。インドは人気がなくなってしまったのでしょうか?

そんなわけで椅子に座るとすぐに自分の番が回って来て、あっという間に申請は終わってしまいました。
大使館に入ってから出るまで、ものの5分もかからなかった感じです。

スムーズでよかったけど、なんか物足りない感じだなあ・・・

そんなことを思いながら見上げた曇り空から、まさに今降り出した雨のひと粒が、私の額の中央にぽとりと落ちて来たのでありました。

あー、またインドに行くんだなあ。

 

*このメルマガの後半へ続く

〔本題〕実際のメルマガではここに新着情報などが載ります。

*このメルマガの前半からの続きです。

 

初めてインド方面に行ったのは、もう今から四半世紀も前のことです。

あえて「インド方面」と書いたのは、そのときの行き先がインドではなく、隣国のパキスタンだったからです。

当時はまだ「空の各駅停車」と呼ばれる南回りのヨーロッパ路線が健在で、パキスタンへもそんな南回りの便で行きました。
成田空港を夕刻に出発したDC-8型機は、夜中のバンコクドンムァン空港を経由して、カラチに到着したのはまだ明けやらぬ午前3時。カラチ空港の建物はどこも妙に薄暗く、入国審査でも税関でも、係官がそのするどい目つきとは裏腹に、なんだか面倒くさそうにのろのろと手続きを行っていました。

私は知り合いを頼って行っていたので、カラチの空港にも迎えの人が来てくれていたのですが、それでも空港ビルを出た瞬間、その暗闇の中に光る無数の目と、「バクシーシ」と言いながらこちらに突き出して来る、異様に細く長い腕を見たときには、正直たじろいでしまったことを鮮明に覚えています。

明け方だというのにむっとする気温と、何の匂いなのか、甘い匂いの混じる空気を掻き分け、ようやく乗り込んだ迎えの車は、バッテリーが弱っておりエンジンがかからず、その辺にいる数人の男たちに金をやり、車を押させてエンジンをかけるという始末。

到着直後から始まったそんな強烈な異国体験が、当時二十歳の私の脳裏に深く刻み込まれ、その後ぜんぜん違う道に進んだというのに、気が付けばこうしてインドと仕事をすることになっていました。

私はバックパッカーでも、ましてやヒッピーでもなかったのに・・・

インドに行くと毎回いやな事や面倒なことが発生します。
それは空港に着いた直後から待ち構えています。
まったく「犬も歩けば棒に当たる」式に、あちこちでトラブルに遭遇するのです。

なんで朝食代請求すんだよ!
朝食付きのプランで泊まってんじゃないかよ!

だからあ!ここじゃないんだよ!行きたい場所はあ!
なんで金出してお前の連れてきたいとこに行かなきゃなんないんだよ!

おつり、おつりくれよ!
もちろん覚えてるさあ!あんたの無駄話が終わるのを待ってたんだよ!

おいおいおいおい!
なんで毛布持ってちゃうんだよ!

そんな風に語尾に「!」マークを付ける会話が多い国で、本気で文句を言ったり喧嘩をしたりすることも多いのですが、なぜか後々までその事を根に持つということはなく、すべてを許せてしまうとても不思議なところです。
その証拠に、私はすでに前回の「爆弾処理班スーツケース破壊事件」を許してしまっています。おまわりさん。お仕事ごくろうさまです!

でも、それはいったいなぜなのでしょうか?
なぜ、インド人を許してしまうのでしょうか?

明確な答えはまだ出ませんが、少なくとも私はインドと相性が良いようです。
そしてやはり、インドが好きなのでしょう。だからいやな事があっても、最終的には許してしまうのでしょう。

そしてどうやら、インドの方でも私を好きなようです。

でなけりゃ、あれほど私をいじめてこないはずですから。

そしてまた、いじめられにインドに行って参ります。

尚、出発前にもう一度メルマガの定期配信がございますので、そのとき改めまして、「行ってきます!」言わせて頂きます。

それでは、今週はこの辺で失礼させて頂きます。

また来週!

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