〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時Rs.1が約2.7円、3倍にして1割引けば簡単に計算できます。 1時間走り給油 Rs.62.24 (Rs.40/リットル) 2時間かけ到着 |
【以下の解説は2009年12月18日のものです】
インドの庶民の足としては、人力でペダルをこぐサイクルリキシャや三輪自動車のオートリキシャ、そしてタクシーやバスといったものがありますが、それらは車種(形態)の違いだけでなく、適正乗車距離というものも違うのです。つまり横丁内程度の移動ならサイクルリキシャ、市内での移動ならオートリキシャ、そして市外などの長距離にはタクシーやバスといった具合に使い分けるのがいいのです。それが乗る側にも乗せる側にも負担がなくていいのです。
ということで、オンボロのオートリキシャで60km以上の道のりを往復するというのは、やはり無理があったようです。
シューマッハのマシンは、すでに2時間以上も国道をひたすら南下しているのですが、ちっともアレッピに到着しません。
私の頭脳が計算するところでは、60kmの道のりは時速60kmで走れば1時間で着くことになり、たとえその半分の時速30kmしか出なくても2時間で着くという計算になります。それがまだその気配すら見えないというのはいったいどうしたことでしょうか。もしかしたら「アレッピ方面ここを左折」の看板を見落として、とっくの昔に通り過ぎてしまったのでしょうか。
そもそもフォートコーチンを出発したのが午後3時を回っていたので、もう時刻も5時を過ぎてしまいました。
シューマッハも自信がなくなったのか、マシンを路肩に止めて、どこぞに道を聞きに行ってしまいました。こんな知らない土地で、ひとりポツンとオートリキシャの後部座席に取り残されちゃって、なんだか急に不安になって来たなあ~
なんてことを思っていると、ようやくシューマッハが戻って来て、笑顔で「もうすぐだ」と言いました。
ホントかよ~、シューマッハア~
幸いなことにそれは本当でした。
間もなくマシンは国道を左折し、小さな街並みに入りました。
するとそこには大きな水路があり、観光用とおぼしき船もたくさん浮かんでいます。おー、アレッピだアレッピだ。
2時間半もかかったけど、ちゃんと到着したぞ。
しかし私の見たいのはこういう水路のある風景ではなく、畔にヤシの木が生えているような田園風景ということで、シューマッハはさらにそこらへんの人たちに道を聞きながら、マシンを走らせて行きます。
そして、まったくいきなり!といった感じで視界が開けたかと思うと、そこにはまさしく私が見たかった風景が広がっていたのであります。
つづく
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