この写真を撮影したのは、コルカタ(カルカッタ)のハウラー橋のたもとです。
ハウラー橋は1943年に完成した見るからに頑丈そうな、そしていかにも古そうなスタイルの鋼鉄の橋で、世界一往来の激しい橋ともいわれています。
列車でコルカタ(ハウラー駅)に到着した人がタクシーで市街地に入ろうとすると、慢性的な渋滞状態のこの橋を通ることになるのですが、お蔭で橋からの眺めを長時間堪能できます。
さて、こちらの写真はそんなハウラー橋をコルカタ市内方面に渡ったところにある花市場です。
インドでは毎日神様に捧げるための花が大量に消費されますので、マリーゴールドを中心とした花がここに一手に集められ、そしてまた方々へと運ばれて行きます。
この写真を撮った時はモンスーン(雨季)であり、この日も朝から小雨が降ったりやんだりという天候でした。
私の滞在していたホテルからここまでは、天気さえよければ、また欲を言えば通り過ぎる車がもっと優しい運転をしてくれたら、歩いてもそれほど苦にはならない距離なのですが、実際には小雨と道のぬかるみ、そして猛スピードで走り抜ける車から身を守りながら、ようやくここまでたどり着きました。
まずは橋の上から何枚か写真を撮り、次に花市場へと入って行ったのですが、当時の私は黒い顔に眼だけがギラギラと光るインド人の花売り業者たちに間近で睨まれると、とてもカメラを向ける勇気が起こらず、市場内部での写真は一枚も撮れなかったのでありました。