なんだか無骨なこの箱は、水冷式のクーラーです。
まあ日本でも同じ仕組みのものが「涼風扇」などの名称で売られていますが、インドではかなり昔からこの水冷式クーラーが活躍しています。仕組みは簡単、まず前面は風の吹き出し口になっていてファンが付いています。そして残りの三面には麻(みたいな繊維)でできた目の粗いマットが取り付けられています。でもって箱の底部に溜められた水をポンプで汲み上げ、麻のマットを湿らせるのです。すると通常の気温よりも涼しい風がファンによって送り出されて来るというものです。気化熱を利用しているわけですね。
インドのこの時季(4月~6月)は酷暑期にあたり、日中の気温は軽く40度を超えます。
ただし日本の夏と違って空気が大変乾燥しておりますので、こうした気化熱を利用した水冷式クーラーの風でも結構涼しく感じられ、シャツの胸元を大きく開けてそいつに当たっているとなかなか気持ちがいいのであります。
経済発展著しいインドですから、一般家庭にも徐々にエアコンが普及し始めているのも事実ですが、いかんせんインド人の平均収入からしたらエアコンは価格が高いため、こうした水冷式クーラーもまだまだ健在で、そのボディーをプラスチックのスタイリッシュなものに変えた「新型」が売られていたりします。
あっ、そうそう、旧式のボディーは金属でできているのですが、常に水まみれの状態で長年使っているために漏電している可能性がありますので、たとえその仕組みを間近で観察したくても、運転中はうかつに触らない方が賢明です。なんせインドの電圧は220Vですから。
以上、経験者からの忠告でした。
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