インドのお金の単位は「ルピー」です。
ルピーには補助通貨があり、それは「パイサ」と言います。
(「パイサ」は単数形で、複数形は「パイセ」と言うらしいです、ホントは)
2004年6月3日現在の1ルピーは2.62円(東京三菱銀行のTTSレート)です。
現在流通しているルピー札の種類は、1000、500、100、50、20、10、5、2、1の9種類です。(たぶん)
ただし5、2、1ルピー札は新しく発行されていないのか、たいていものすごく汚くなっており、庶民の間ではババ抜きのババのような扱われ方をしています。
***** これがインドのお札です *****
500ルピー札には同デザインで青色のものと旧デザインのものがあります。
100ルピー札には旧デザインのものもあります。
50ルピー札には旧デザインのものもあります。
20ルピー札は他のデザインを見たことがありません。
10ルピー札にも旧デザインのものがありますが、 たいていおそろしく古ぼけています。
*1000ルピー札は高価過ぎるので持っておりません。
*5ルピー、2ルピー、1ルピー札はババ抜き効果で手元にありません。
*旧デザインの札は、いずれもアショカ王石柱の獅子が描かれています。
(20ルピー札参照)
さて、超高級ホテルだけを渡り歩くツアーでもない限り、インドに行けば当然ルピーを使うことになります。
そこで円やドルをルピーに両替するわけですが、両替の場所としては銀行やアメックスのオフィス、ホテルのフロントなどがやはり安心です。
町を歩いていると闇両替の誘いもありますが、違法なわりにはそれほどレートはよくありません。
たとえば1ドルに対して1~2ルピー率がよいとかその程度のものですので、なにも危険を冒すことはないかと思います。
もっとも1万ドルくらい替えるお金持ちの人や、逆に1ルピーが貴重な節約旅行をしている人には結構大きい差額かもしれません。
まあ両替場所はどこでもいいのですが、日本円で2万円(またはUS$200)くらいも両替しますと、札束を渡されることがあります。
たとえば今日のレートで2万円を両替しますと約7,600ルピーになります。
これを1000ルピー札や500ルピー札でくれればいいのですが、なぜか50ルピーの札束を渡されることがよくあり、閉口します。
なぜ閉口するかと言えば、札束は100枚ずつホチキス留めされていて、バラすのに苦労するわけです、はい。
そのホチキスの針も、少年漫画雑誌を綴じるのに使っているような代物で、札束の表と裏から打ち込まれ、指でつまんで外すなどということは不可能です。
それではその50ルピーの札束は、そのまま「5000ルピー札束」として使うしかないのか?それとも言うことをきかないやつの横っ面を叩くときに使うのか、えっ?といえば当然そんなはずはなく、ちゃんとばらして使います。
これにはちょっとコツがあって、札束を半分ずつつかむと、左右にぐりぐりじわじわと動かし、ホチキスの針が通っている穴を大きくして抜き去る!というのが一番なのです。
しかしそんなことを何回も繰り返すわけですから、インドのお札にはホチキスの針によってできた穴が無数にあいてしまい、ついにはそれらの穴が団結して大きな穴になってしまうのです。
インドでは破れたお札はなかなか受け取ってもらえないのですが、穴に関しては非常に寛大であり、透かしの部分がそっくりなくなってしまっているようなお札でも特に問題なく使用できるのが不思議でもあり、また当然とも思えるのであります。
ただしこの「お札のホチキス留め」は、インド政府またはインドの中央銀行が行っていることではなく、一般市民(と言っても両替商とかでしょうが)が勝手にやっていることだと言うことです。
最近ではアメックスなどではホチキス留めされていない札束を渡されることもあり、それはそれでお札が少ないのではないかと心配になってしまいます。
とにかくインド人にとって「お札のホチキス留め」は完全に習慣化されている行為のようでありまして、かつて私が東京に住むインド人から受け取った3万円も、きっちりとホチキスで留められており、少なからず感動を覚えたのでありました。
ただしたった3枚のお札でしたので、ごくふつーの小さいホチキスの針で留められていただけでありましたが・・・
日本に住むインドの方々よ。
日本のお金をホチキス留めする行為は、通貨変造の罪に問われるおそれがあるので充分注意するように。
もし罪に問われ罰金を払うようになったときには、面白いのでその罰金をホチキス留めして収めてみて下さい。