いくつになっても遊園地というのは楽しいものです。
でも私は「絶叫マシーン」という類のものには、いまだに乗れません。
その昔、富士山のふもとにある遊園地でジェットコースターに乗ったことがありますが、コースターが急坂を下り降りる度に足を踏ん張りすぎてモモをつり、終点に到着した後もしばらく立てなかったという苦い経験があるのです。
やはり私はもっと単純に楽しいものが好きですね。 たとえばメリーゴーランドとかね。
で、今回はインドのメリーゴーランドなわけですよ。インドではお祭りなどで人がたくさん出る場所には、こうした遊具をいくつか設置した「臨時遊園地」が開設されたりします。そしてこの写真のものは、そんな遊園地のメリーゴーランドなのです。
とは言え、造りは至って簡単かつ小規模なものです。
台座の上に立つ回転軸を中心として、放射状に6本の棒が伸び、その先にそれぞれ馬だとかトラだとか変なサカナだとかおかしなトリだとかが付いているだけなのです。
そしてその回転動力は「人力」です。ヒューマン・パワーなんて言い方もします。
子どもたちは係りのおっさんにお金を払い、それぞれ馬だとかトラだとか変なサカナだとかおかしなトリだとかの中から一番好きなものにまたがります。
そうしたのち、おっさんはおもむろに馬だとかトラだとか変なサカナだとかおかしなトリだとかを回し始めるのです。
その際、乗客のシートベルトの着用確認並びに注意事項の説明、発進時の警告ブザー並びに指差し確認など、安全確保のための作業は一切ありません。そもそもシートベルトもブザーもないのです。とにかくおっさんは回し、子どもたちは回って行くのです。
そんなとても小さなメリーゴーランドで、きわめて小さな範囲をぐるぐる回るだけなのですが、乗ってる子どもたちにとっては、きっと夢のようなひとときを味わっているのでしょう。
そして子どもたちの今夜の夢には、馬だとかトラだとか変なサカナだとかおかしなトリだとかがきっと出て来ることでありましょう。
あなおそろしや・・・
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