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2007年4月27日:インド出張レポート・その17

         
  • 公開日:2022年8月1日
  • 最終更新日:2022年8月5日

ラクダ隊商の隊長こと松本です。
その後いかがお過ごしでしょうか。

暦の上では・・・

いよいよゴールデン・ウィークです。

中には一週間以上という長い連休で、まさしく「ゴールデン・ウィーク」となる方もいらっしゃるようですが、カレンダー通りに休みますと前半と後半にまっぷたつに分かれてしまいます。

これでは「ウィーク」とは言えません。

なのでそういうのは「ゴールデン・ハーフ」と言いましょう。

でーお!でええおぉ~!

その後の歌詞、知りません。

さて、連休前はメルマガの配信がいつもより混み合いますので、あまりもたもたしていられないのです。
実は今はまだ26日の午後なのですが、これからメルマガを書いて配信予約しても、はたして連休前にお届けできるかどうか・・・

とにかくどんどん行きましょう。

では、インドの話題です。

今回もビカネール旅行のお話しの続きとなるわけですが、まずは恒例のあらすじからどうぞ。

【前回までのあらすじ】

幾多の睡魔を克服し、ようやくたどり着いた砂漠の都市ビカネール。さっそく今夜のお宿にチェックインしようと思ったら、あ~ら、なんてことでしょ、マネージャー氏からの「今夜はここにお泊り頂けません」の一言。

【あらすじおしまい】

 

花の首飾りとウエルカムドリンクという、熱烈歓迎ムードもどこへやら、私たちの前に現れたマネージャー氏は、ここには泊まれないなどと言い出したのです。
あまりの予想外の展開に、しばしあんぐり口を開けたままでおりますと、マネージャー氏は言葉を続けました。

「ここにはお泊り頂けないのですが、私どもの系列ホテルの方にお部屋をご用意致しますので、何卒そちらにご変更頂けないでしょうか」

あくまでも丁寧な話し方と柔らかな物腰で説明するマネージャー氏ではありますが、これじゃあカロルバーグあたりの安ホテルで、「今夜ここはいっぱいだけど、すぐそこに系列のホテルがあるからそっちへ回ってくれ」と言われるのと内容的には同じじゃないですか。
そういうケースではたいていランクの下がるホテルへ回されたり、「すぐそこ」と言っておきながら、何百メートルも先のホテルだったりするのです。
なのでここは簡単に「はい、そうですか」と返事をするわけにはいかないのです。まったく、私を誰だと思っているのですか。私はホテルをたらい回しにされること数回、靴にうんこを載せられること3回、オートリキシャでボラれること数知れずのツワモノなのです。もうそうそう騙されてばかりはいられないのです!もう勘弁して下さい!ほれ、この通り!土下座してお願いする次第なのであります!

私たちが意外と頑固者であると知ったマネージャー氏は、さらにパンフレットを開いて見せ、こう言いました。

「いいですか。ご予約頂いたこのホテルは『準ヘリテージクラス』なのですが、代わりにご用意させて頂くホテルは、この『ヘリテージホテル』なのです。マハラジャが狩の時に使用した別荘で、目の前には湖が広がり、それはそれは美しいホテルなのです」

確かにパンフレットには、湖のほとりに建つお城のような建物の写真が載っていました。

しかし、こんなことで簡単に「うん!行く行く!」などとは言えません。
なぜならパンフレットの写真は印刷が悪く、なんだか陰鬱に見えるのです。
マハラジャの使っていた元別荘というのは本当なのでしょうが、はたしてその保存状態、ホテルとしての機能といったところが万全なのか疑わしいです。
もしかしたら建物がでかいだけで、中は薄暗く、あちらこちらにくもの巣なんかも張っていて、しかも電気だって通っていないかもしれません。
で、たいていそういう建物の入口には、木製の大きな扉があって、開ける時に、ぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃ~、なんてキモチ悪い音がするのです。

そして中から燭台をかかげた老執事が現れ、陰気な声で、

「ようこそいらっしゃいました。どうぞこちらへ。いっひっひっ」

などと言うのです。

なんだ、いっひっひって!

怖くてトイレも行けないじゃないかあ!

そんなことを考えながら尚も疑わしい目をしていると、マネージャー氏は何度も「絶対にそちらのホテルの方がここよりすばらしいです。もちろん料金は同じです。それは私が100%保障します」などと言うのですが、いきなり今夜の予約を変更させようとする男の保障など、誰が信用するでしょうか。

でも、いつまでこうしていても埒が明きそうにありません。
これから市内観光だってしなければなりませんので、時間もあまり無駄にはできないのです。

そこでしかたなくこの件は折れることにしたのですが、もうひとつ確認しておかなければならないことがあります。
それは、代替のホテルがここからどれくらい離れているのかということです。
なにしろ「すぐそこ」が何百メートルも先だという国だからです。

「そのホテルはここからどれくらい離れているんですか?」

という私の質問に、マネージャー氏は一度ツバを飲み込んでからこう言いました。

「だいたい30Kmくらいです」

・・・

えっ?

なんだって?

さん・・・

3、なんだって?

30・・・?

メートル?

えっ?

キロ・・・メートル・・・

・・・

なんてことでしょう。

これは今までの最長不倒距離です。

かつてここまで大胆かつ大スケールで騙されたことはありませんでした。

だってあーた、30kmって言ったら結構ありますよ。
私は神奈川県の内陸部、丹沢山のふもとに住んでますが、ここから30km行ったら、江ノ島や鎌倉に着いちゃいますよ。

じゃあ何?
鎌倉見物しようってえ人が、我が家に泊まりに来るようなもん?

えっえ~! そんなのぜってーやだ!

交渉は再び振り出しに戻り、私はマネージャー氏に、「とにかく泊まれそうな部屋を見せてくれよ」と要求しました。

するとマネージャー氏は泣きそうな顔になり、「とにかくこのホテルには一切お泊めできる部屋がないのです」と言うのです。

すげえあやしい・・・
これは絶対なにかあるぞ。

納得のできないまま椅子にふんぞり返っていると、マネージャー氏は一度奥にひっこみ、再びパンフレットを持ってやって来ました。
いったい今度はどんな手を出して来るのでしょうか。

マネージャー氏の手にしたパンフレットの表紙には、ボールペンで「#116」と書き付けてありました。

そして、

「あなた方にご用意させて頂きますお部屋は、スイートルームです。
 これがその番号、116号室です」

おっ・・・

そう来たか・・・

 

*このメルマガの後半に続きます。

〔 中略 〕

*前半からの続きです。

 

普段なかなか耳にする機会のない「スイートルーム」という言葉に、一瞬心を奪われた私でありましたが、なんせそのホテルはビカネール市街から30Kmも離れているのです。そんなところに行ってしまったら、予定の市内観光ができなくなってしまうわけです。

そこでこの一件をドライバー氏に相談してみることにしました。

さっそく外で待機しているドライバー氏のところへ行き、今までの経緯を話した上で、「どう思う?」と意見を求めました。

するとドライバー氏、

「いいじゃないですか。そのホテルに移れるなんてラッキーですよ」

と言うのです。

ほうほう、そうなのか・・・そういうものか・・・

マネージャー氏を始めとする従業員たちの満面の笑みに見送られ、私たちを乗せた車はゆっくりとカルニ・バワン・パレス・ホテルを後にしました。

行先は「ガジネール」というところです。

先ほどの会話の中にもありました通り、ガジネールはビカネールからさらにジャイサルメール方向に30km程行ったところにあります。
泊まるホテルは、その名も「ガジネール・パレス・ホテル」と言うようです。

車は再びビカネールの市街地を抜け、砂漠の道へと入って行きました。

道中ドライバー氏から聞いた話では、今ビカネールにはムンバイから映画の撮影隊が来ており、カルニ・バワンはその出演者とスタッフの宿舎として使われることになったそうなのです。
マネージャー氏は立場上そのことを言えなかったようなのですが、ドライバー氏はその話を従業員から聞き出していたというわけです。

さすが映画制作本数世界一を誇るインドです。
映画の制作が始まると一気にだぁ~っと作ってしまうのでしょう。
なので宿泊場所なども急遽決めることになるってえもんなのでしょう。
でもって普通の観光客なんかは、他のホテルに回されるという寸法なのでしょう。
なるほどね。

こうなると気になるのは、どんな俳優さんが来てるのかということなのですが、ドライバー氏の口から出て来る名前は私の知らない人ばかりでした。

どうやら私の好きなラニ・ムケルジーは来てないようです。
ムケルジーが来てるんだったら、なんとしてもあのホテルのロビーに居座り続けたんですけどねえ。

周りの風景はますます砂漠化して来ました。
こんな風景はジャイプールからビカネールに来る間にはありませんでした。
低木なのか草なのか、とにかく多少の緑は見えるのですが、あたり一面が砂の大地で、家もほとんどありません。

尚も進んで行くといきなり道路が狭くなり、センターラインがなくなってしまいました。それだけ交通量が少ないのでしょう。

そんな砂漠の道なのですが、時々道端に人が座ってるのです。
荷物をかたわらに置いて、石の道標に腰掛けていたり、地べたにしゃがみこんだりしているのですが、どうやらこれは車を待っているようなのです。
はたしてそれがバスなのか、それともトラックみたいなものに便乗しようとしているのかはわかりませんが、みんなひたすら黙って待ち続けています。
しかしこんな何にもない砂漠の真ん中にも、人が生活しているんですねえ。

さて、ビカネールから40分ほども走ったでしょうか、車は突然わき道に進路を取りました。
その道はかろうじて車一台分の幅だけが舗装してあるというもので、当然対向車とすれ違うときには、どちらかが路肩に下りるか、または両車が半分ずつ路肩に落ちてすれ違うかするしかありません。

しかしこんな道路の先に、本当にヘリテージホテルなんてもんが存在するのでしょうか?

それとも実はドアがぎぃぃぃぃ~と言いぃ~の、執事がひっひっひっ・・・と笑いぃ~の、夜中におしっこチビりぃ~のみたいなホテルなのでしょうか?

危うし私!

替えのパンツは2枚しかないぞ!

つづく

 

はい、今回はわりと長めでしたが、よく考えるとホテルのロビーと車の移動の話しかしておりませんでした。

しかし!

次回はいよいよ謎のベールに隠されたヘリテージホテルの真相が明かされるのであります。

はたして本当にヘリテージなのか?

それともパンツを洗うハメになるのか?

次回を待たれ!

それでは、今回はこの辺で失礼致します。

ひっひっひっ・・・

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