アーマダバードの街を歩いていたら、見かけない形のオートリキシャを発見!
ちょっとした興奮を押さえながらも足早に近寄り、ドライバー氏に断って写真を撮りました。これはよくあるbajaj社製のものではなく、TVS Motor社製の新型オートリキシャです。
一番の特徴はウルトラセブンの目のような二灯式ヘッドライトでしょう。
今までのものは前輪カバーの上に載っかる形の一灯式のものが主流で、それすらなくなってしまったオンボロリキシャも見かけるインドオートリキシャ界において、この大きなヘッドライトは闇を明るく照らすとともに対向車に脅威を与え、「そこのけそこのけ」効果は絶大でしょう。
さらにフロントガラスは湾曲した一枚ガラスで、従来の三枚式のものより視界が良好なのです。(たぶん)
もっともこれが本物のガラスだったらということでありまして、もしこれがプラスチックやアクリル製だったとしたら、やがて表面に無数のキズがつき、朝夕の逆光や夜間の対向車のヘッドライトの光が拡散して、ほとんど視界ゼロなんてことになってしまうこともあるので要注意です。
後ろに回ってみますと、一見従来のオートリキシャと変わりがないように思えますが、実はテールランプが違うのです。これも従来ではブレーキランプの赤色ランプくらいしかついていないものが多く、しかもこれまた壊れていて点かないものもが多い中、この新型オートリキシャのテールランプには、なんとバックランプまで内蔵されているから驚きです。
なにが驚くかって、そもそもオートリキシャ界におきましては、バックなんてものはドライバーがうんせうんせと押して動かすのが一般的で、わざわざバックギアなんて使わないわけですよ。つまりバックランプなんてあっても、ギアを入れないわけですから無用の長物と言うことなのであります。
さて、運転席はといいますと、こんな感じです。
ドライバー氏がちょっと照れながらも体を引いて写させてくれました。作りと致しましては、バイク型のハンドルなど基本的には今までのものとあまり変わりがありません。
ただ全体的にプラスチックが多用されておりまして、いかにも「新車」という雰囲気がぷんぷん漂います。
そしてよーく見て行きますと、フロントガラスの下の出っ張り部分(おそらくワイパーのモーターが収納されていると思われます)に、インドの車内には必須のアイテム「神様」グッズが置けるスペースがあるではありませんか。これはうれしいアイデアです。さらにです、神様置場の左下にはスピーカーのようなものが内蔵されており、その右側、つまり神様置場の真下には風の吹き出し口のようなものが二つあるのです。
まあスピーカーの方は音楽付きのインド人のことですから、以前からメーカーに対して多数要望が寄せられていたのかもしれませんが、風の吹き出し口に関しましてはまさかクーラーとは考えにくいというかありえないわけで、たぶん前方から取り入れた外気が出て来るだけというものなのでしょう。
とまあ、以上が私が見た新型オートリキシャの概要報告となりますが、本当は私は古い形のオートリキシャの方が好きなのであります。
しかし、ともすれば廃止の話まで出て来てしまうオートリキシャを取り巻く厳しい環境の中、こうしてあくまでも三輪式の小型車にこだわって新車を開発販売するメーカーがあるということは、実に頼もしいことだと思う次第なのであります。
オートリキシャの未来に、栄光あれ!
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