はい、今回は私の「旅ノート」のメモ書きを使用致しますので、はなはだわかりづらかろーとは思いますが、文章だけよりマシと思ってお付き合い下さいませ。
長い列車の旅ともなれば車内販売がひとつの楽しみだったりしますが、インドの列車でもいろいろな物売りがやって来ます。
ほら、さっそくなにやら売り声が聞こえて来ました。
「コフィコフィコフィコフィコフィ」 「チャイチャイチャイガラムチャイ」
振り向けば車両の後ろから大きなステンレス製の容器をぶら下げた男が、おかしな売り声とともに近づいて来るところでした。どうやら飲み物を売りに来たようです。「コフィ」は「コーヒー」のことなのでしょう。
男は容器の中身が重いためか、はたまた列車が揺れるためか、ガニ股の少しよろつく足取りで私の席のそばまで歩いて来ましたので、私もチャイを注文してみました。
すると、
「5ルピー」
と言うのです。
その頃街角のチャイ屋では一杯2ルピーほどでチャイが飲めましたので、やはり車内販売は割高のようです。
私の注文を受けると車内販売の男は、ステンレス製の容器をしっかりと両足で挟んで固定し、容器の下部に付いている小さな蛇口からプラスチック製の使い捨てコップに液体を注ぎ始めました。しかし、コップに注ぎ込まれている液体は白い色をしており、とうていチャイとは思えないものです。
あれ? おかしいなあ。
と思っていると、男はすかさずティーバッグを取り出しコップに突っ込み、そいつを私に手渡しました。もちろん5ルピーと交換にです。
なるほど、どうやらステンレス容器の中身は温めた甘いミルク(を薄めたもの)のようで、注文に応じてそいつをコップに注ぎ、ティーバッグあるいはインスタントコーヒーの粉を加えるという製法を取っているようです。
案の定、二度目に男が回って来た時にコーヒーを注文したら、白い液体の満たされたコップにネスカフェの粉を入れてました。
そんな風に手渡された「コフィ」はとても甘いミルクコーヒーで、いつもブラックで飲んでいる私にはちょっと物足りないものだったのであります。
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