〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時1ルピーが約2円だったので、ただ単に2倍にすれば円価になります。 2010年3月24日(水) アーマダバード 晴 34℃ 何度目かの停車でほとんどの人が降りる。 目的地は意外と遠く、途中でメーターを覗くと動いていなかった。 ドライバーはこちらが予約があると説明した「Good Night」に入るのを見届けるように立ち去らない。 脇道から駅へ向かう大通りに出る。 このホテルはちょっと古いが、お湯も出るしエアコンもあるしでとても快適である。 荷物を置きマーケット方面へ食事に出る。 ホテルへ戻り、バス旅のホコリを落とす。サッパリ! 早めに寝る。 |
【以下の解説は2012年9月27日のものです】
〔以下メモに解説を加えて〕
2010年3月24日(水) アーマダバード 晴 34℃
何度目かの停車でほとんどの人が降りる。 ドライバーや助手に「終着地か?」と尋ねるが、英語がわからないのか困った顔をするのみ。 バスを降りると「どこへ行きたいんだ?」と聞いて来るおっさんあり。「シディ・サイヤド・モスクだ」と答えると、「よし、おれのオートに乗れ」と言う。リキシャマンだった。 値段交渉しようとすると「メーターで行く」とのこと。とりあえず乗ることにする。
バスに残っていた乗客のほんどがぞろぞろ降りるので、私も一旦バスを降りてみる。荷物はバスの荷物室に預けているので、降りたらすぐにバスが走り去ってしまうという心配はない。ここで降りる乗客の荷物をバスの横腹から引っ張り出しているバスの助手に「ここが終点なのか?」と尋ねるが、どうやら英語が通じないらしい。慌ててドライバーの所へ行き同じ質問をするも、困ったような顔をするだけでやはり回答は得られなかった。 そんな時英語で話し掛けて来たのがオートリキシャのドライバーだった。インドのバス乗務員及び補助員は制服を着ていないことが多いので、オートリキシャのドライバーとは気づかず素直に希望の行先を告げた。「シディ・サイヤド・モスク」とは旧市街にある小さなモスクのことで、そこは繁華街に近くホテルも多いため、まずはそこまで行きたいのである。料金を尋ねると珍しいことに「メーターで行く」と言うので、多少の不安を残しつつも乗ることにした。
目的地は意外と遠く、途中でメーターを覗くと動いていなかった。 これはかなりボラれると覚悟をしていると、なにやら換算表のようなもので確認している。はたしてどの辺りの数字を言って来るのかと思ったら「98」だったので拍子抜けする。 素直にRs.100あげる。おそらく距離からしても70~80くらいはしたと思う。
このオートリキシャの料金メーターはまるでスピードメーターのような形をしており、丸い文字盤の中央に針がついているというものだった。もっともそれはドライバーがそいつを指差して「メーターで行く」と言ったので、私が勝手に料金メーターだと思い込んだだけなのだが、もしかしたらそれは本当にスピードメーターだったのかもしれない。確かにドライバーは「メーター」としか言っていなかったのである。 そもそもバスを降りた地点がアーマダバードのどの辺りなのか見当もつかないのだが、目的地までの道のりは想像より遥かに遠かった。その間私は「もし高額な料金を吹っかけられたら」という事態を想定し、やり返す言葉(英語)を頭の中で何度も反芻し一朝有事に供えていた。しかしドライバーの提示して来た額は「98ルピー」というもので許容範囲であった。おそらくドライバーも道すがら、「んー、いくらにしようかなー、できれば100ルピーもらえると嬉しいんだけど、さすがに100だと怒るかなー、それにそんなピッタリの数字はないよなー、じゃあ98くらいにしとこかなー」とか考えていたのだと思う。 ちなみに「換算表」とは、料金改定に料金メーターの修正が間に合わない(または対応しない)場合、メーターの示す旧料金から新料金を導き出せるようにするもの。つまりその表でドライバーが料金換算するとともに、乗客にもその算定基準を明確に示すことができるというわけである。2001年にアーマダバードを訪れた時には、実際に換算表を使って料金を算定していた。
ドライバーはこちらが予約があると説明した「Good Night」に入るのを見届けるように立ち去らない。 仕方なく一旦ホテルに入り料金を確認すると、A/CルームはRs.1000+税とのことだったのでやめる。
オートリキシャのドライバーは副業としてホテルの斡旋などもやる。もちろんそれはマージンを取るためであるので、たいていの場合はその分(もしくはそれ以上に)部屋代が高くなると考えなければならない。で、道中このドライバーも「ホテルは予約してあるのか?」と聞いて来たので、10年ほど前に泊まったことのある「ホテル・グッドナイト」の名前を答えたのである。また都合のいいことにホテル・グッドナイトはシディ・サイヤド・モスクの真ん前なのだ。 ドライバーはちょっと疑っているようだったので、一応料金確認くらいはしてみようとホテルの中に入る。しかしやはり予算よりちょっと高かった。
脇道から駅へ向かう大通りに出る。 ちょっと歩いた先のホテル「カプリ」にチェックイン。Rs.728(税込)
なおもしつこく外で待機しているドライバーの死角を突き、細い路地から表通りに出た。そもそもその通り沿いにあるいくつかのホテルから選ぶつもりだったのだ。まずは目についたホテル・カプリに当たってみたら、エアコン付で728ルピーだったので即決した。州によっても違うが、ちょっといいホテルになると税が付くのだが、ここは初めから税込価格にしているのかそれとも税がかからないのか、とにかくそのまんま一泊728ルピーだった。
このホテルはちょっと古いが、お湯も出るしエアコンもあるしでとても快適である。
「とても快適」とあるが、それはこれまで「暑くて寝られない」宿や、「水シャワーに凍える」宿にしか泊まっていない人間からの感想である。この言葉を鵜呑みにして「アーマダバードに行ったら絶対ここに泊まろう」などと思ってはいけないのである。
荷物を置きマーケット方面へ食事に出る。 広場前の小奇麗なレストランで食事。 エビピラフ、バターチキン、ペプシ 約Rs.170
「マーケット」とは、アーマダバード旧市街随一の賑わいを見せるティーン・ダルワーザ近辺のこと。 「小奇麗なレストラン」とは「ニシャット(Nishat)」というレストランで、どれを食べてもおいしかった。しかしビールが飲めないのが実に残念なのだ。アーマダバードを含むグジャラート州は禁酒州であり、飲酒は許可証を取った上で所定の店でしか飲むことができないのである。
ホテルへ戻り、バス旅のホコリを落とす。サッパリ!
早めに寝る。
エアコンのないバスでは走行中窓が開けっぱなしになっているため、体中が埃だらけになる。おでこを手のひらでこするとじゃりじゃりしたりする。 今夜は久しぶりにお湯のシャワーを浴び、エアコンの効いた部屋で眠ることができる。あー、なんてシアワセなんだろう。