ここは南インド、タミルナドゥー州のとあるバスターミナルです。
でもってこの写真に写っているのはバスの車掌さん(男)で、肩からぶら下げているこいつは、バスチケット販売用の装置なのです。日本でもこれと似たような装置はありますので、おそらくだいたいどんなものか想像がつくかと思いますが、乗客の申告に従って行先や人数を入力すると、必要項目が感熱ロール紙に印字されて出て来るというものです。
ほら、こんな感じですね。たとえばこれはマドライ(MADURAI)からラーメシュワラム(RAMESWARAM)行きのチケットで、2010年4月18日の10時27分16秒の発行で、大人一人分、50ルピーの料金といったことが印字されています。
これなら勝手のわからない旅行者でも、料金をボラれる心配や、もしかしたらボラれているんじゃ?という疑念を起こさずに済みます。
なにしろ今でも多くのバスで使用されているチケットというのは、細長い色紙にいろいろな数字が印刷されているもので、車掌さんに行先を告げるとそのチケットの所定の数字にパチパチとハサミを入れるというシステムなために、素人にはチケットをまじまじと見てもなんだかよくわからないというものなのです。それに引き替え機械式のチケットは実に明朗会計でよろしいのですが、やはりそこ若干風情に欠ける感じがするのと、感熱紙なのでせっかく記念に取っておいても、そのうち印字が消えてしまうのではないかというはかなさがちょっと頼りないのです。
その昔日本の国鉄で自動券売機が導入された頃、せっかく旅の記念にと買い求めた入場券の印字がいつのまにやら消えてしまい、なんだか実にむなしい気持ちになったのを思い出します。
まあそういうものをいくら大切に持っていても、どうせ私が死んじゃったら捨てられちゃうんでしょうけどね。
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