昔日本に新幹線が開通した頃、人々はそれを「夢の超特急」なんて呼び方をしました。
今思えば、なんて大げさな!って感じもしますが、あの頃の日本は戦後の復興を見事に成し遂げ、さらなる飛躍を目指して力強く前進していたので、それくらいの表現はしてもいいのかもしれません。
さて、今回ご紹介するのはインドの特急列車「シャタブディ・エクスプレス」です。
シャタブディ・エクスプレスは、力強い経済発展を続けるインドが誇る、近距離の大都市間を結ぶ特急列車なのですが、いわば「インドの新幹線」であり「夢の超特急」なのです。
まあ新幹線といっても、日本のそれみたいに新たに線路を敷いたものではなく、既存の鉄道網の上を走っているのですが、これがなかなか速いのです。
ただその速さの秘密は、気動車の卓越したスピードというわけではなく、おそらく「優先運行」によるものかと思われます。
つまり他の列車はちょうど緊急車両の通過を助けるみたいな感じで、シャタブディ・エクスプレスの運行を妨げないように、わきに避けてスムーズな通過ができるようにしているのでしょう。(もちろん線路脇に避けるのではなくて、駅とかで通過待ちをするんですけどね、そりゃそうですよね、ははっ!)
シャタブディ・エクスプレスの魅力は速さだけではありません。その設備やサービスもなかなかのものです。
たとえばこの車両は「スーパー・デラックス」に所属するのですが、座席は通路を挟んで片側2席づつしかありません。まあ日本の私鉄の特急(たとえば小田急のロマンスカー)などでも片側2席というのは普通ですが、インドの幹線の軌道幅は1676mmと日本の新幹線よりも広いので、当然車両の幅も広いわけです。そこに片側2席というのはとても贅沢なわけなのです。
私が乗ったのは夕刻発の列車でしたが、そんな贅沢なシートに座っていると、やがて水や食べ物が配られます。
水はご覧のように1.5リットル入りの大きなペットボトルです。
さらにお茶のサービスもすぐに始まります。食べ物はサモサなどの揚げ物やお菓子などが3~4種類もらえます。
そいつをもそもそ食べていると、今度は食事の希望(ベジタリアンかノンベジか)を聞きに来るから驚きです。確かにさっきもらったのは軽食ではありますが、なにしろたった4時間ちょっとの乗車ですので、「えっ?まだ食べるの?」って感じなのです。
で、正式の食事はチキンカレーにダルスープ、チャパティとグリンピースご飯が配られ、さらに食後にダヒ(ヨーグルト)とアイスクリームが配られました。
食い過ぎだろ、あきらかに・・・
とまあ、食事などのサービスは満点なのですが、列車の移動時間を利用して睡眠を取ろうとする人にとっては、ちょっとありがた迷惑なサービスだなあと、風邪のひき始めで体のだるかった私は、そんな風に思ったのでありました。
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