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その58:踏切で待たされる

         
  • 公開日:2007年7月27日
  • 最終更新日:2022年6月22日

ラクダたちとの楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、名残は尽きねど私たちはラクダ牧場を後にしました。

さよならラクダたち! ゲロなど吐き掛けずにみんな仲良く暮らせよ!

と、これから向かう先は、ビカネールの郊外約30kmのところにあるデシュノックという村です。
この村にはカルニ・マーター寺院と言うヒンドゥー教のお寺があるのですが、ここがなかなかすごいお寺だということなので、実に楽しみなのです。

我らがアンバサダーはデシュノックへ続く幹線道路へ出るため、ショートカットの砂漠の田舎道を疾走し始めました。
ところが突然前方に立ちふさがるように止まる大型トラックを発見! いったい何事だ!

と思ったらそこは踏み切りで、列車の通過待ちをしているのでした。しかし見通しのいい砂漠地帯だというのに、どこを見渡しても列車の姿はおろか、来る気配すらありません。こりゃそうとう待たされるのを覚悟しなければならないでしょう。
ドライバー氏も車から降り、踏み切り番のおっさんと世間話を始めました。

しかしなんでトラックの後に並ばないで横に止めちゃうのでしょう。道幅だって広くないのに。で、トラックの運転手もなにも文句を言わないってのがすごいところですね。

さて、どれくらい待ったでしょうか。
もう永久に列車なんて来ないんじゃないかと思った頃、遠くの方からSLと見まごうばかりの黒煙を上げて、大きなディーゼル機関車がいくつもの車両を引っ張ってやって来ました。若干上り勾配になっているのでしょうか、機関車は力強さの中にも少々の息切れを感じさせながら目の前を通過して行きます。

「おれだってしゃー、若いときはしゃー・・・」

と、機関車ヤエモンのようにブツブツ言ってるようにも見えるその姿を見送ると、踏み切り番のおっさんはようやくのろのろとした手つきで遮断機を上げたのでした。

さあ、出発です!

*すべて2007年3月時点の情報です。

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