〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時Rs.1が約2.7円、3倍にして1割引けば簡単に計算できます。 6/1(金) パナジ → アンジュナ・ビーチ 快晴 気温32℃ 6:00起床 9:30チェックアウト。 フロントの天才君ともおさらばだ。例の早口のインド英語で「ここの宿泊はどうだった?」と聞くので、今さら文句も言いたくないのでレストランをほめておいた。 オートリキシャでマプサへ。 リキシャマンはRs.150と言うが、昨日はRs.130で行ったんだからそれ以上は出せんと言い、Rs.130でOKさせた。 バザールは金曜バザーの日ということで、すごい人だった。 バザールでチキンロール2ヶとコーラ 昨日の金物屋でステンレスのカップ(Rs.20)二つと茶こし(Rs.25)一つ買う。(計60ルピーにしてもらった) 物売りがすっごくうるさいので、少し早目かと思ったがリキシャでアンジュナビーチへ移動。 プーナムゲストハウスでは、昨日の予約の時に対応してくれた若いおにいちゃんがすぐ出て来てくれた。部屋は昨日見た401ではなく、向かいの404号室。日本的発想では日陰の部屋だが、たぶん涼しいのであろう。一泊の予定と言っておいたが、すぐ二泊に延長した。 |
【以下の解説は2009年11月17日のものです】
カーテンのお陰でエアコンの冷気の直撃を受けることもなく迎えた朝は、早くもピカピカに晴れ渡っており、ビーチ・リゾートへ旅立つ(そんな大げさなことじゃないですが)私にはなによりの門出となりました。
いよいよこのホテルともお別れです。
こんなホテルでも出て行くとなれば少しはさみしい気持ちに・・・ならないですね、ここは。部屋の絵も描かなかったほどですから。フロント業務をテキパキこなす天才君(私とMくんとの間でだけの通称)は、「ここの滞在はどうでしたか?」と、インド風の強いアクセントの上に早口の聞き取りづらい英語で尋ねて来ます。なんだ、毛布を貸してくれなかったくせに。
まあ今さらそんなことを言っても仕方ないのですが、かといってあの部屋を褒めるわけにもいかないので、二晩ともお世話になったホテルのレストランを褒めておきました。
ホテルを出た私たちは、まずはマプサの市場に行こうと、昨日と同じ料金で了承させてオートリキシャに乗りました。しかし今日は荷物の分が重いのか、途中の長い上り坂ではほとんど止まりそうなスピードで、喘ぎながらかろうじて動いているという状態になってしまいました。おそらくこのオートリキシャのエンジンは、排気量が100CCくらいしかないのではないでしょうか。なんだか原付バイクの二人乗りで坂道を登っているような感じなのです。
*日本の道路交通法では、公道での原付バイクの二人乗りは禁止されています。上記表現はあくまでも想像上のもの、または私有地内における乗車を想定したものですので、お巡りさんや先生などに言い付けないで下さい。
それでも無事にマプサに着きました。
ドライバーは特に何も言って来なかったので、約束の130ルピーだけで充分だったのかもしれませんが、荷物代ということで10ルピー余分にあげることにしました。
マプサの公設市場は金曜日には特別の市が立つということで、この日は昨日とは比較にならないくらいすごい人出でした。
まずは腹ごしらえと、昨日と同じ食堂で、昨日と同じものを食べました。まったく相変わらずひとつ覚えるとそればかりなのです。
食事の後は、昨日アンジュナ・ビーチのことを教えてくれた金物屋にお礼に行きました。教えてもらったお陰で、ホテルアロマの疲れをビーチで癒せそうです。店に行ったついでに、ステンレスのカップ2個と茶こしを買いました。これは先日ムンバイで買った「インスタント・ティー」というものが、お湯に入れるとサッと溶ける粉末タイプというものではなく、ただの紅茶の葉っぱだったため、茶こしなしではとても飲みづらかったからです。コップを2個買ったというのは、熱いお茶を飲む時に重ねて二重にして、持つ手が熱くないようにとの賢い配慮だったのですが、後から、あー、取っ手付きのカップを買えばよかったのかあ、と気づいたのであります。
市場は人出が多い分物売りも多く、ちっともゆっくりできないので、早々にアンジュナ・ビーチへ行ってしまうことにしました。
オートリキシャがアンジュナ・ビーチに着くと、料金を払うのももどかしく(ちゃんと払ったけど)、早く宿に荷物を置いて、きれいな砂浜で走ったり泳いだり砂でお城を作ったりするぞ!と、早足でプーナム・ゲストハウスへと向かいました。
プーナム・ゲストハウスでは、昨日の青年がすぐに部屋に案内してくれました。案内されたのは昨日見せてもらった部屋とは違い、その向かい側の部屋でした。
なんだよ!約束が違うじゃないか!
でも、与えられた部屋はアラビア海に向かって左側、つまり南向きの部屋でした。
やった!南国の太陽が燦々と降り注ぐ部屋だぞ!
しかし、この辺りは北回帰線の南側で、この時季太陽は北にあり、この部屋は日陰の部屋なのです。
なんだよお・・・暗い陰気な部屋じゃないかあ!
ところが、暑い土地では直接日が差し込まない部屋の方が快適なのです。
ひゃっほぉ~!居心地こそホテルの命!
とまあ、部屋のことで怒ったり喜んだりと実に忙しいことですが、まったく「人間万事塞翁が馬」、考え方次第でどうにでもなるものなのであります。
さて、二人で旅をしておりますと、そこにはいくつかの「ルール」というものが必要になります。そのルールは結構大切なものからさほど大したことのないもの、または事前に取り決めておいたことや暗黙の了解でいつのまにか出来上がった事など様々です。
そんな私たちのルールのひとつに、「窓側のベッドは交互に取る」というのがあります。これは部屋をシェアするとベッドの上だけが「自分の場所」になりますので、やはり開放感のある窓側が欲しいものなので、それを宿ごとに順番に取るようにしようというものです。
で、今回の宿ではMくんがその窓側ベッドを使用する栄誉に輝いていたのですが、どうもMくんの表情が冴えないのです。そしてわかり切っているはずのベッドの使用について、「あれ?・・・今度はオレが窓側だっけ?」と聞いて来るのです。
なに言ってんのMくん?ついさっき前のホテルをチェックアウトして来たばかりじゃない。今朝までどこのベッドに寝てたか覚えてないの?といぶかしく思いながら、なぜそんなことを聞くのか尋ねると、「窓を開けて寝るのが怖い」と言うのです。
確かに今回はインドに来て初めてエアコン無しの部屋となり、それゆえ夜も窓を開けたまま寝るつもりですが、この部屋は2階で、しかも窓にはしっかり鉄格子がはまっているので安全なのです。
そのことをMくんに言うと、なんと返って来た答えが、
「土人の吹き矢が飛んで来たら怖い」
というじゃあありませんか!
おいおい、あんたはいったいいつの時代のどこの国の話をしてるんだい。
だいたい土人なんていう言葉はもはや差別用語で誰も使わないのだぞ。プーナムさんを始め、全インド国民に謝んなさい。
まあ私は別に窓側のベッドでも構わないのですが、そんな失礼なことをいうやつは罰としてそのまま窓側に寝かせてしまおうと、「まあ順番だからな」と冷たく突き放したのであります。
さっ、そんなくだらないこと言ってないで、早いとこビーチに繰り出しましょう。
つづく
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