〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時Rs.1が約2.7円、3倍にして1割引けば簡単に計算できます。 5/27(日) ムンバイ 晴 時々 雨 気温30℃ 6:00起床 波はおだやか ランドリー Tシャツ1枚 Rs.20 LEOPOLD にて昼食 チキンスープ Rs.25 久しぶりの食事がこんなものになり心配。 いつものネットカフェで Mail Check Rs.45 初日に行ったネットカフェでHPをチェック。英語で書いた。 Rs.10 Hotel でスイカ一片とオレンジ(みかん?)2ヶ食べる。 夕食 ルームサービス 部屋代の催促。 夜中、ひどい腹痛、下痢 〔5/27の支出記録より〕 ランドリーサービス(Tシャツ) Rs.20 合計 Rs.1,703 |
【以下の解説は2009年11月6日のものです】
朝目覚めると、すでにサイクロンは去ったのか、窓の外に見える海は波も穏やかで天気もよさそうでした。
おまけに、というか、私にはこちらの方が大切なことなのですが、あの長引いていた下痢がようやく治り始めたようで、今朝はちょっと体の調子がいいようです。
そんな気持ちのいい台風一過、いえ、サイクロン一過でしかも日曜日ともなれば、これはちょっと散歩などしたくなるじゃああーりませんか。なんだかステキな出会いがありそうな、ヨ・カ・ン!
ということで、ムンバイのデートスポットとして名高いマリーン・ドライブにやって参りました。マリーン・ドライブというのは、海沿いを弓なりに走る道路のことなのですが、海側には広い歩道が整備されていて、ちょっとした公園のような雰囲気がありますので、散歩やデートには持って来いの場所なのです。ただ残念なことに、今回私はMくんと同伴での散歩と相成りました。
しかしここ数日の悪天候から一転して、空はすっきり晴れ渡り、ここマリーン・ドライブの歩道には、そぞろ歩く家族連れや昼寝をする犬など、みんな思い思いに日曜日の朝を楽しんでいます。すると突然、そんなのどかな雰囲気を壊すようにMくんが、「お、おい・・・前から来るやつ・・・あいつが持ってるあれ、うんこじゃないか?」と言うのです。
えっ・・・うんこ? こんな気持ちのいい朝に、よりによってうんこを持って歩いてるやつなんかいるはずないじゃないか・・・と思って見てみれば、前方から3人の若者がこちらに向かって歩いて来るのですが、その一番端にいる男の手には、なにやら茶色い液体状のものが入ったビニール袋が提げられているのが見えました。
う~ん・・・確かにあれはうんこっぽいな・・・
この頃の私たちは、ガイドブックなどで読んだ旅行者を狙う犯罪の手口に、独自の観点からあらゆる可能性を加味してかなりの拡大解釈をしていたもので、この時も「コンノートプレイスで靴にうんこをつけられた」という情報から、「マリーン・ドライブで服にうんこをかけられた」という犯行を勝手に想像し、二人して震え上がってしまったのです。
私たちはそのうんこ(仮)を持った男たちを避けるように、広い歩道の端を歩きながらも、常に男たちの動向を監視し、もしそのビニール袋が投げつけられて来た時には、脱兎の如く逃げ出せるよう身構えていたのであります。
しかし結局、彼らと私たちの間には何事も起こりませんでした。
そんな彼らの後ろ姿を見送りながら、ようやく冷静になって考えてみたら、そもそも犯罪に使おうとするなら、あんなにあからさまにうんこをぶら下げて歩くわけがないわけで、おそらくあれはテイクアウトしたチャイかカレーだったのではなかろうかという、ごくマトモな結論に達したのであります。
*余談ですが、その後インドにすっかり慣れた頃、私はコンノートプレイスで3度靴にうんこを乗せられました。やはり油断は禁物なのです。
さて、うんこの話の後になんですが、昼食はムンバイの老舗レストラン、レオポルド・カフェで取りました。Mくんはすでに何度かここに来ていたのですが、いかんせん私はずっと下痢状態だったもので、その食後報告だけを指をくわえて聞いていたのです。しかしようやく今日初めてここに来ることができたというわけなのです。
1871年創業というレオポルド・カフェの店内は、さすがにレトロな雰囲気が漂っており、主に欧米人の旅行者で賑わっていました。
彼らはたいてい2、3人の仲間で、おしゃべりをしながら食事やお茶を楽しんでいるのですが、中にはひとりテーブルに座り、一本のビールをゆっくり時間をかけて飲んでいる人などもいて、それぞれスタイルは違っても、みんな心地よさそうにくつろいでいるようで、この店がムンバイに滞在する旅行者のオアシス的存在なんだなあということがよくわかるのであります。
結局この日は、少しお腹の具合がよくなったからと、お昼はレオポルド・カフェでマトン・ビリヤーニ(炊き込みご飯)を食べ、夜にはルームサービスでマトン・マサラ(カレー)を食べるという愚行を犯してしまったため、その夜、またまた腹痛に見舞われてしまい、まったく学習能力のないやつだなあと、自分でもあきれてしまうのであります。やれやれ・・・
つづく
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