私は子どもの頃、妙に鍵にあこがれていた時期がありました。それはおそらくその頃に読んだ(読み聞かされた)何かの物語の中で、「鍵」が重要な役割を果たしていたからだったと思います。
しかしその頃私たち家族が住んでいた家はと言えば、玄関も窓もすべて木製の引き違い戸(あの障子とかフスマなんかと同じシステムのやつですね)で、鍵は内側からのみ掛けられるねじ込み式のものでした。そして唯一外から鍵を掛けられる勝手口の戸であっても、そこに付いているのは番号合わせ式の南京錠だったので、ウチには鍵というものがなかったわけです。
とまあそんな家庭環境でしたので、なおさら鍵に強くあこがれたのでしょう。
お陰様で今では私もいくつかの鍵を所有するようになりました。
でも、そのどれもがあの物語に出てきた「鍵」とは形が違うのです。
で、その物語に出てきたあこがれの鍵というのが、この写真の鍵(と同じようなもの)なのです。*注:防犯上の理由から鍵の先の形状はゆがめてあります。
これは私が滞在したデリーの安宿の鍵なのですが、まさしくこいつは典型的な鍵の形をしたもので、おそらく多くの人が「鍵の絵を描きなさい」と言われたらこういう形で表すのではないでしょうか。
とにかく私はこの鍵を手渡された時一目でその形に魅了されてしまいそいつが欲しくなり、宿代だけ払って部屋には行かず、このままこの鍵を持って逃げてしまおうかと思ったほどでした。
でもって鍵を掛けたまま逃げるので、これがホントの「カケオチ」なのであります。
えっ?
オチがなってないので「欠け落ち」だろうって?
そんなこと言われて、私カギりなく落ち込む・・・
くどい!
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