とにかく私はインドのオートリキシャが好きなのですが、その魅力のひとつに「土地柄を反映した仕様」というのがあります。
今までもいくつか特徴あるオートリキシャをご紹介して参りましたが、今回のものはラジャスタンの砂漠の街ビカネールで走っているオートリキシャです。
この写真がそれなのですが、なんだかだんだん写真も図鑑っぽくなって来ましたよ。まず外観の特徴から申しますと、デリーなどのオートリキシャを見慣れた目には「古!」と感じるのが第一印象かと思います。
そんな印象を持たせる理由としては、黒と黄色というオーソドックスなペインティングもさることながら、その車幅が狭い、つまり縦長であるということが挙げられます。
それに比べて現在デリーで走っているCNG仕様の最新モデルは、ずんぐりしていると言ってもいいような安定感があります。
また幌が屋根の部分だけで、後部座席を覆う壁の部分は鉄製であるという点も、古いタイプのオートリキシャであるという印象を与えています。(印象というか、本当に古いんだと思いますが)
しかし、そんなお古なボディーでも、積載能力はすぐれているのです。
まずご覧頂きたいのが、運転席と後部客室を隔てるバーの部分です。
このバー、少し幅があり、その上部はこんもりとカマボコ状に盛り上がっています。 実はこれ、座席なのです。
つまり、ここに後ろ向きに何人か(2~3人)が座るのです。
さらに、どのオートリキシャにも設置されている「右側部分乗降禁止柵」の形状をご覧下さい。 ここもなにやら赤いもので補強がされているのですが、実はここにも人が座ります。体を半分外にはみ出させながら横座りしたりするのです。
そしてこのオートリキシャにはルーフキャリアも付いていて荷物もたくさん積めますので、朝夕のラッシュ時には、さながらミニミニ乗合バスみたいな使い方をされるのであります。
ちなみにこのオートリキシャのエンジンは運転席の下に積まれているタイプです。
ちょうど休憩中のため運転席が前に倒されていて、むき出しになったエンジンを見ることができます。
以上がこのオートリキシャの特徴なのですが、このことからこの土地では多積載仕様のオートリキシャが必要とされていることがわかり、さらにそのことから、この街はまだまだ自家用車の普及率が低いのであろうということもうかがい知ることができるのであります。(たぶん)
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