インドの観光地を歩いているとふいに背後から「びょろびょろ~びょ~ろろろろろぉ~」という音が聞こえ、つい音のする方を振り返るとそこには笛を手にした男がおり、「買え」などと言われることがよくあります。
そんな笛売りはたいてい何本かを手に持ち、そのうちの一本をびょろろ~と吹きながら売り歩いているのですが、さすがデリーの一大観光スポット「インド門」にいた笛売りはちょっと違いました。
はい、この写真がその笛売り男なのですが、ご覧の様に大量の笛を竿に挿して商売をしているのです。遠くから見るとまるでホウキをさかさにして持っているように見えるこの「笛陳列竿」ですが、どうやって笛を挿しているのかといえば、元々この竿から斜め上方に向けて無数の細い棒が突き出ておりまして、そこに中空の笛を挿しているということなのですね。
しかしこの笛の音というものは不思議なものでありまして、この音が聞こえるとつい釣られてそちらを見てしまうのです。
なにしろ「笛吹けど踊らず」という言葉があるくらいで、「笛を吹く」というのは人を意のままに動かそうとする意味なわけですよ。
まったくハーメルンの子どもたちが笛吹き男にぞろぞろくっ付いて行ってしまったということがよく理解できるのであります。
あっ、また笛の音が聞こえて来た・・・
それ、ひとつくださいな。
[dfads params=’groups=39&limit=1′]