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あまりの激しさに春ではなく夏が来てしまうのだ:インドのホーリー祭

         
  • 公開日:2012年3月8日
  • 最終更新日:2022年7月21日

春を呼ぶインドのお祭り「ホーリー」、太陰暦で祭日が決まるため毎年日にちが変わるが2012年は3月8日である。

ホーリーは誰彼かまわず色水(色粉)を掛け合う習わしがあり、朝から無礼講のものすごい騒ぎになる。また普段はあまり大っぴらに飲まない酒やある種の薬なども飲用され、その狂乱振りはさらにエスカレートして行く。しかもそんな興奮または酩酊状態のまま車やバイクを運転するから実に恐ろしいのだ。

この写真は2010年のもので、この年は3月1日がホーリーだった。私はホーリーの狂乱の渦に身を投じる覚悟がないので、静かに宿の部屋にこもっていたが、それでも気になりそぉ~と窓から覗いてみたら、すっかりシャッターの閉まった商店街の中にただひとつ開いている店があった。見れば店の主人も従業員も色水でカラフルに染まっている。まるで南国の美しい鳥のようだ。
なぜ南国の鳥に身を変じてまでこの店が営業しているかというと、実はホーリーの色粉を仕入れたがまだ売り切れておらず、祭り当日の駆け込み需要を狙っているのである。

そんな大無礼講の色水ぶっかけ合戦も午前中でおしまいになる。
昼近くになると宗教歌のような音楽が流され、街は次第に静かになって行く。ホーリーの午後は新しい服に着替え、心新たにあいさつ回りをするのである。

インドでは春を呼ぶ祭りホーリーが終わると、春の背中をぐいぐい押すようにして、一気に夏がやって来てしまうのである。

動物の鈴・アニマルベル