browser icon
You are using an insecure version of your web browser. Please update your browser!
Using an outdated browser makes your computer unsafe. For a safer, faster, more enjoyable user experience, please update your browser today or try a newer browser.

2001年6月30日(土)チェンナイ・2001年インドの旅第73回

         
  • 公開日:2010年1月21日
  • 最終更新日:2022年6月24日
〔当時のメモより〕
*金額に関しては当時Rs.1が約2.7円、3倍にして1割引けば簡単に計算できます。

6/30(土) チェンナイ 晴(うす曇) 気温36℃

9:30頃Hotelを出てオートリキシャを拾う
郵便局 → マリーナビーチ → バニヤンの巨木で周るように交渉すると、メーターで行くという。
初乗りのRs.7.00から20パイサずつ上がり始めると早い!
マリーナビーチまでおよそ35~40ルピーといったところ。

砂浜の写真を何枚か撮り、バニヤンの巨木へ行く。
しかしこの公園は、開放時間が平日の8:30~10:00、14:00~16:00であった。
行ったのが10:20頃だったので入れなかった。
しかし門番のじいさんに粘って頼むと、「午後1時に来い」と言う。Rs.10渡してまた来ると告げ、時間つぶしにナショナルパークの子供公園とスネークパークに行くことにする。

子供公園は動物が少しいるミニ動物園の様な感じであった。
飼育係と称する男がサルに敬礼させてくれる。しかし棒で脅したりしているので、サルも怒っている。
次にワニを動かしてみせると言う。檻に入った飼育係は、棒でワニの鼻先をぼこんぼこんと叩き始めた。ワニも怒って動いていた。

ヘビ園はヘビやトカゲといった爬虫類がいるところ。あまりおもしろくなかった。
しかし各ヘビの生息地域を見ると、けっこうインドのいろんな場所に毒ヘビがいるようで恐ろしくなった。

昼食はリキシャマンとは別々にとった。

フレンチオニオンスープ Rs.35
ガーリックライス Rs.40
ペプシコーラ(2本) Rs.24
合計 Rs.99

1時10分前、さっきの門まで来たがじいさんは来ず、別の門番が、2時にならなきゃだめだと言う。
結局1時45分頃、別の門から中へ入る。

バニヤンの木は想像と違った感じのもので、枝分かれし過ぎていた。

おばさん4人が作業をしている場所で、リキシャマンが来てみろ呼ぶ。そこには豆のサヤを乾燥させたものが山と積まれており、そいつをむしって食べろと言う。
しかたなく食べてみるとすっぱかった。たぶんタマリンドではないかと思う。

門番にRs.10あげ、引き上げる。

帰りのメーターはスタジアムを過ぎたあたりで99.80を超え、それ以上は上がらないのでカックンカックンとなってしまった。

結局メーターでは、往復でRs.220~230といったところか。
しかし拘束時間が約5時間と長かったためRs.400払う。

夜はスープとトマトジュースで済ます。パンはやはり食べられなかった。

風邪薬が終った。あとは抗生物質が1setあるのみ。
完全に風邪をひいてしまったようで、鼻水が出始めた。
明日の移動が心配。

【以下の解説は2010年1月21日のものです】

今朝のテレビは、繰り返し同じニュース映像が流されていました。

画面の中では、家に突入した警官隊が一人のおっさんを連行する様子と、その巻き添え(止めようと抵抗したのか)になったおっさんが、壊された眼鏡をカメラに見せながら抗議している映像が何度も何度も映し出されているのです。

なにしろ私は外国では言葉が不自由なものですから、残念ながらあまりちゃんとはわからないのですが、どうやら連行されたおっさんはタミール・ナドゥ州(ここチェンナイはその州都です)の前知事のようで、なんらかの嫌疑をかけられ逮捕されたようでした。
しかし不思議なのは、その夜中(もしくは夜明け前)に行われた逮捕劇の一部始終がテレビカメラによって撮影され、こうしてニュースでバンバン流されているということです。

さらにニュースでは、逮捕された前知事の支持者たちによる抗議行動が暴徒化する恐れもあると告げて(たぶん)おり、これは今日は外出には充分注意しなければと思ったのでありますますが、明日はこのチェンナイを発ってしまうので、私はその前にどうしても神智学協会にあるという、巨大バニヤンの木を見ておきたかったのであります。

そこで今日は安全のために、ホテルを出るとすぐにオートリキシャに乗ることにしました。はたしてあんなむき出しの乗り物が「安全」かどうかというところは、いささかギモンに思うところでもありますが、万が一暴徒の一団に遭遇した時には、少なくとも徒歩より逃げ足が速かろうと思ったわけです。

ホテルの前の道を歩き出すと、前から来たオートリキシャのドライバーが、ちょっと控えめにちらっとこちらを見たのがわかりました。
私は直感で、「あっ、このドライバーなら料金をぼったりしないな」と判断し、オートリキシャを止めました。
案の定そのドライバーはまじめそうな男で、郵便局とマリーナビーチ経由で神智学協会へ行きたいと言うと、なんと「メーターで行く」と言ったのです。

郵便局はチェンナイのメインストリートであるアンナ・サライにあるのですが、やはり今日のアンナ・サライの商店の多くはシャッターを閉めたままで、到着した郵便局も半分しか扉を開けておらず、暴動の勃発を警戒しているようでした。

私も急いでハガキを出しふたたびオートリキシャに飛び乗るや、早いとこ繁華街から離れようとビーチ目指して一目散にオートリキシャを走らせた(運転はあくまでもドライバーですが)のであります。

海岸沿いの道をぐぅーと南下し、アディヤール川を渡ったところに神智学協会はあります。

ところが行った時間がよろしくなく、すでに午前の開放時間(8:30~10:00)を過ぎていて中に入れませんでした。
門番のじいさんに午後の開放時間を聞くと「午後2時」とのことでしたが、それでは3時間半以上も待たなくてはならないので、しつこく「ねえ、そこんとこもう少しなんとかならない?」と粘ったところ、「じゃあ午後1時に来なさい」と1時間も負けてくれました。
そして門番のじいさんは目立たないように私に手を差し出したのです。つまり便宜を図る見返りを要求して来たのです。
私は「まあそれも必要悪かな・・・」と考え、よっしゃよっしゃと10ルピー札をその手に握らせたのでありました。

さて、それでも開門まで2時間半もあります。それまでどこかで時間をつぶさなければなりません。
そこでガイドブックを見てみましたら、この近くに大きな公園があるようでしたので、そこへ行くことにしました。

行ってみると、公園にはスネーク・パークと動物園もあって時間つぶしには持って来いでした。

ところがどちらも規模が小さく、動物園では飼育係がサービス(?)精神を発揮して、暴力的指導でサルに敬礼をさせてみたり、意味不明にワニを殴打して見せてくれたりしましたが、それでは返ってのんびり動物を見て歩くことができず、早々に出て来てしまったのであります。ゆっくり昼食を取り、ようやく1時10分前になったのでふたたび神智学協会の正門に行ったところ、さきほどのじいさんはおらず、違う門番が「開門は2時だ」と言うのです。
それはまあこちらも重々承知ではあるのですが、そこんところをほら、そのなんですよ、うまいことね、やってもらおうとしているわけで、だからあんたじゃなくてさ、午前中にいたあのじいさんを出してもらえればね、すべて丸く収まるはずなんですけどね・・・

結局いつまでたってもじいさんは来ず、私はすごすごと引き返すしかなかったのであります。

とほほ・・・なんのための裏金だったんだよ・・・

するとがっかりしている私を見かね、ドライバーが「もしかしたらなんとかなるかもしれない」と言い、別の門へオートリキシャを回し、そこの門番と交渉をしてくれました。なんと素晴らしいドライバーじゃありませんか。

結果から言うと、交渉が功を奏して正式な開放時間より前に入場できました。まあほんの15分だけではありましたが、それでもドライバー氏(ここから敬称付き)の気持ちが嬉しかったのです。神智学協会の中にはドライバー氏も入って来て、私にあれこれ教えてくれます。
たとえば地面に開いた穴を指さし、「あれはヘビの穴だから近づかない方がいい」とか言うのです。
私にはその穴はモグラの穴にしか見えなかったのですが、地元の人が言うのでヘビの穴に違いないのでしょう。うっかり指など入れなくてよかったです。

さて、そんな風にして敷地内を進んで行きますと、ありましたありました、巨大バニヤンの木です。あれえ・・・なんだか想像していたような巨木とはイメージが違うなあ・・・

どうやら私の期待の方が、そのバニヤンの木より大きかったようで、ちょっとがっかりしてしまったのであります。

それでも今日は一日実に良いドライバー氏と過ごせて、なかなか楽しい一日でした。

ふたたび海岸線の道路を引き返している途中、ふと気がついて料金メーターを見てみると、料金表示の小窓の中で99.80と書かれた表示板が、もうそれ以上は上がることができないというのに、カチャカチャと震えながら無駄な努力をしていたのであります。

ああ、結局今日一日の私の行動も、この数字版と同じようにただの空回りだったのかもしれません。

そんな空回りの料金メーターとお客を乗せ、オートリキシャはホテルへと向かって行ったのであります。

つづく

次のページへ行く

目次へ行く前のページへ行く

[dfads params=’groups=39&limit=1′]