いなかぁ~のバスはぁ~、おんぼろぐるまぁ~
なんて歌が昔ございましたが、まさしくそんな感じのバスが南インドには走っています。
まあインドでは南に限らずおんぼろバスは走っているのですが、デリーあたりのバスはその四角っぽいフォルムからか、ちょっと凶暴な雰囲気があり、「おんぼろ」というどこかのどかな雰囲気とは違うのです。
そこへ行きますとこの写真に写っているコーチン(コチ)あたりで走っているバスなどは、丸みを帯びたスタイルがとてもいい雰囲気を出しているのでありますよ。このバスの最大の特徴は窓ガラスがないということです。
窓の下のほうに3本の鉄柵があるだけで、外の風は入り放題、腕や顔を外に出し放題、別れの紙テープを投げ放題なのです。
では、雨の時はどうするかと申しますと、窓の内側上部に収納されたる蛇腹式布製隔幕をばらばらと引き下ろすのです。
しかしこれでは当然外が見えません。それどころか車内も薄暗くなってしまいます。いえ、そんなことより南インドのむわっとした雨季のさなか、そんな風に窓を全部閉め切ってしまうと、車内の不快指数は一気に上昇してしまうことでしょう。
そのためか、雨が降っていても幕を全部下ろさなかったり、下ろしていても幕の下や横を指で押し開き、そこから乗客が目を覗かせていたりすることもあり、歩いていてバスを見上げたとき、思わずそいつと目が合いぎょっとすることもあります。
とまあ、そんなリスクもある南インドのバスですが、雨さえ降らなければその全開の窓からこれでもか!っと風を受け入れ走るあの爽快感はたまらないのであります。
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