〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時1ルピーが約2円だったので、ただ単に2倍にすれば円価になります。 2010年4月16日(金) マドライ 晴 昨夜寝たのが遅く、また疲れていたので良く眠れたが、6時過ぎに目を覚ましそのまま起きてしまった。 このホテルは朝食付き。 10時頃ミナークシ寺院へ。 正門である東門へ回り込む。 入門するとチェックゲートがあり、持ち物を検査される。 両側に土産物屋が並ぶ薄暗い通りを進むと、四角い池を囲む回廊に出た。 じゃあどこが入り口なのか?と、周囲の人に尋ね、列を整理するために設置されているジグザグの柵を進んで行ったが、行きついた先は先ほどの信者専用エリアでまたもや追い出される。 仕方なく土産物屋の場所まで戻り、左に曲がると別のエリアに行くことができた。 本物の象がいた。 その先にはシヴァ神の乗り物ナンディー像があり、敬虔な信者が熱心に拝んでいた。中には五体投地のように床に這いつくばって祈る人もいる。 |
【以下の解説は2012年11月22日のものです】
〔以下メモに解説を加えて〕
2010年4月16日(金) マドライ 晴
昨夜寝たのが遅く、また疲れていたので良く眠れたが、6時過ぎに目を覚ましそのまま起きてしまった。
疲れていてもそういつまでも寝られない。でも若い頃は平気で午後3時くらいまで寝ていられたものだがなあ。
このホテルは朝食付き。 南インド式のものばかりで、イドリやパラータ、ジーラライス、サンバル、がんもどきのような揚げ物など。
「イドリ」は米粉で作った蒸しパン。若干酸っぱい味がするので知らないで食べるとちょっと驚く。「パラータ(*パラータではなく「ウッターパン」ではないかとのご指摘あり。おそらく「ウッターパン」が正解)」はモチモチしたお好み焼きのようなもの。これは日本人には食べやすいと思う。「ジーラライス」はクミンシードなどを混ぜ込んだご飯なので、好き嫌いがわかれるところであろう。
10時頃ミナークシ寺院へ。 路地を左に曲がった途端にミナークシ寺院が見え、思わず「すご!」と息を飲む。
「ミナークシ寺院」はここマドライのシンボル的存在で、実際この街を訪れる人の多くはミナークシ寺院がお目当てとなる。 南インドのヒンドゥー寺院の特徴のひとつに「ゴープラム」と呼ばれる塔門がある。山のような巨大な屋根に無数の神像が貼り付き、それらが色とりどりに彩色されているためとても美しい。そしてミナークシ寺院のゴープラムはインド有数の大きさを誇り、遠くからでもよく見えるので街歩きの目印としても重宝するのである。
近づくにつれだんだんその大きさがわかって来ると、ますます「すご!」と感動してしまう。
なんでもそうだが「見ると聞くでは大違い」である。ただしこの時は良い方への「大違い」であり、目の当たりにしたミナークシ寺院のゴープラムは想像をはるかに越える迫力だった。 寺院に近づくと歩調を合わせるように男が近づいて来て、「寺院を見るベストポジションに案内する。タダだぞ」としきりに誘うが、どうせ土産物屋の二階かなにかで、結局金を使うか気を遣うかで「タダではすまない」と思うので誘いに乗らなかった。
正門である東門へ回り込む。
寺院は四角い塀で囲まれていて、ゴープラムはその東西南北にある。しかし実際に入場できるのは東の門だけで、西側からアプローチした私は寺院の周りを半周することになった。しかし寺院を取り巻く道路は車両の進入が禁止されていて歩きやすく、巨大なゴープラムを仰ぎ見ながら歩くのはなかなか楽しい。
内部はハダシでなければならず、靴をクロークへ預ける。
インドでは寺院や礼拝所へ入る際は靴を脱がなければならないということがよくある。そういう所ではたいてい門の横に靴を預かる場所があったり、靴の番をする人がいたりする。当然預かり料として小銭が必要となるのだが、ここのクロークではお金を取らなかった。
入門するとチェックゲートがあり、持ち物を検査される。 カバンの中にアーミーナイフがあったが、「中では絶対にナイフを出さないように」と言われただけで通してくれた。
同行のM君はライター(使い捨てのやつだが)を取り上げられ、箱の中に投げ捨てられていた。この処遇の違いはナイフとライターの値段の差ではなく、おそらく人徳のなせるわざであろう。なのでこの記事を読んで「ナイフはOKなんだな」と思ってはいけないのである。
両側に土産物屋が並ぶ薄暗い通りを進むと、
とにかく規模の大きな寺院で、建物内部に供物や土産物を売る店もたくさんあり、そういうのを見て行くだけでも結構楽しい。
四角い池を囲む回廊に出た。
「清めの池」である。信者はこの池で身を清めて参拝する・・・らしいのだが、この時は誰も清めてはおらず、みんな日陰に座ってただ池を眺めていた。
さらに進むとチケット売り場があったので、外国人用Rs.50とカメラ持ち込み料Rs.50を払う。 その左側の入り口から中に入ると、そこはヒンドゥー教徒のみ入場可の所とのことで追い出される。
入場券を買ったのに中に入れないとはどういうことか。切符売り場のすぐ横に入り口があれば、そこへ入るための入場料だと思うではないか。
じゃあどこが入り口なのか?と、周囲の人に尋ね、列を整理するために設置されているジグザグの柵を進んで行ったが、行きついた先は先ほどの信者専用エリアでまたもや追い出される。
本物の入り口を求めてうろうろし、誰も人の並んでいないジグザグ通路をくねくね歩いてまたつまみ出されるなんて、なんだかバカ丸出しではないか。
仕方なく土産物屋の場所まで戻り、左に曲がると別のエリアに行くことができた。
もしこのエリアが信者以外が見られるこの寺院最大の見学箇所だとしたら、入場券などなくても入れるということになる。なにしろ入場券売り場はかなり奥まった位置にあるのだ。本当にどうなっているのであろうか。とても不思議である。
本物の象がいた。 象の前に進み出て、お金を渡すと象がそれを鼻で取り、そのまま頭を触ってくれるというもの。 自分も5ルピー札を出し頭をなでてもらった。ちょっとビミョウな感触。
象にプジャー(祝福)してもらうなんて、なかなか体験できないのでやってみた。しかも私は頭を剃っていたので、象の鼻先の感触がよく伝わって来てありがたさ倍増だった。
その先にはシヴァ神の乗り物ナンディー像があり、敬虔な信者が熱心に拝んでいた。中には五体投地のように床に這いつくばって祈る人もいる。
ミナークシ寺院はその名のまま「ミナークシ女神」の寺院なのだが、その夫であるシヴァ神もここに祀られている。 信仰心とは本当にすごいもので、みな熱心に祈りを捧げていた。 その点私はせいぜい静かに見て回るくらいしかできないので、帰りがけにもう一度象の祝福を受けて(今度は10ルピー)寺院を後にした。