この写真を撮影した場所は、アグラのタージ・マハルです。
これはよく目にする正面からのタージ・マハルではなく、やや左サイドからのものです。
タージ・マハルを見学するときは、正面の入り口から入ってそのまま真っ直ぐ白亜の殿堂に向かって進み、本体を見学したのちはまた元来た道を戻るもよし、左右の脇道に逸れるもよしといった流れ解散的な感じになるのですが、私はたいてい左側に逸れます。
まあそちらにはモスクもありますし、博物館(入ったことはないですが)もありますので、正面の本道以外ではこちらを通って戻る人が多いかと思います。
私はこの時も左側の小道を歩いて戻っていたのですが、最後のコーナーを曲がる辺りで、先を歩いていたインド人の女性たちがふと立ち止まってタージ・マハルをしげしげと眺め始めました。
きっとこの女性たちはすでに間近でタージマハルを見て、もう充分堪能してここまで戻って来たのだと思います。でも、あとちょっとで出口に着いてしまうというところで急に名残惜しくなってしまい、またこうしてふり仰いでしまったのだと思うのです。
彼女たちがどこから来たのかは知りませんが、インド人だからといっていつでも簡単にタージ・マハルに来られるわけではないでしょう。私だって奈良の大仏は今まで二度しか見たことがありません。なのでやっぱり今一度しっかり見ておこうと思うのはごく当然のことなのであります。
とまあそんなことを思いながら、私もいつもとは違う角度からのタージ・マハルを、まじまじと眺めたのでありました。