2010年インドの旅・実録編：第35回　コーチン

【以下の解説は2012年10月29日のものです】

〔以下メモに解説を加えて〕

2010年4月5日（月）　コーチン　晴　30℃　夕方から雨が降り出す

荷物を置いて食事へ出る。

チャイニーズ・フィッシングネット前には、観光客にシーフードを食べさせるオープン・エアの店がたくさんある。

フィッシングネット前の公園のそばの「Kelala Cafe」で、エビ焼とエビカレー、ビール2本（たぶん缶）、オニオンパコーラ、水、ジュースでRs.1550（二人分） おいしかったが経費がかさんだ。

いくつかある店の中から元気なあんちゃんのいる店に決め、エビ中心の食事を注文する。 「パコーラ」とは天ぷらのようなもの。「オニオンパコーラ」は玉ねぎをかき揚げ状にしたもので、ビールのつまみになかなかいい。しかしこの店はアルコールを提供するライセンスを持っていないようで、ビールはどこからか仕入れて来て、マグカップに入れて出してくれる。量からいって缶ビール（330ml）であろうと推測した。

帰りがけ、声を掛けて来たリキシャマン（二人）に、「シューマッハというリキシャマンを知らないか？」と聞くと「知ってる」とのこと。今日連絡を取ってくれるとのことなので、宿泊先名と名刺を渡し、ちょっと迷ってお茶代としてRs.20渡そうとしたら、「これは仕事だからいらない」と言う。自分が恥ずかしかった。

「シューマッハ」とは9年前ここで出会ったオートリキシャのドライバー。彼のおんぼろリキシャで60km離れたアレッピまで行ったのが思い出深く、ぜひとももう一度会いたいと思っていた。残念ながら彼は現在別の場所で仕事（もちろんオートリキシャの）をしているとのことで、彼らから連絡を取ってもらうことになった。こういう事になるとオートリキシャのドライバーはもうしつこく営業を仕掛けて来ない。それどころか電話代も掛かるのだからと、「チャイでも飲んで」と少額の紙幣を渡そうとしたら、きっぱり断られてしまった。

ホテルに帰り、シャワーと洗濯。久しぶりにサッパリした。 日記や絵ハガキを書きながら、涼しい部屋でしばしの休息。

最後にシャワーを浴びたのは昨日の朝なので、まだそれほど「久しぶり」というほどでもない。しかしその間二台のバスを乗り継ぎ、ホームで8時間を過ごし、一晩列車に乗り、オートリキシャとフェリーとおまけにもう一度オートリキシャに乗ってここまで来たので、実際の経過時間よりはるかに長い体感時間だったのである。

6時頃、夕陽でも見ようかと外出する。しかし外は意外にも曇っていて、空気も重く今にも雨が降りそうな雲行。 絵ハガキを郵便局前のポストに投函し、チャイニーズ・フィッシングネットまで行く。

郵便ポストに投函すると、切手がはぎ取られてしまう（つまりハガキは届かない）という話も聞くが、さすがに郵便局の真ん前のポストなら大丈夫であろう。そして実際ハガキはちゃんと届いた。

相変わらず外国人（欧米人）観光客がたくさんいて、しきりにフィッシングネットの写真を撮っていた。 ネット前の公園は子ども連れでにぎわっていた。

チャイニーズ・フィッシングネット越しに沈む夕陽を見ようと思ったのに、いつのまにか空はどんよりとした雲で覆われていた。

ホテルの下で水とコーラを買い、部屋でラム酒を飲む。 しかしラムのコーラ割は甘すぎておいしくなかった。

学生の頃はよく安いウイスキーをコーラで割る「コーク・ハイ」というものを飲んでいたが、久しぶりにそれをやってみた。もっとも本当はそんなものが飲みたいわけではなく、ただコーラの心地よい冷たさでお酒が飲みたかっただけなのである。しかし冷えたコーラも温まった（一応「常温」ではあるのだが）ラムを入れると生ぬるくなってしまい、おまけに甘さが倍加されておいしくなかった。ちなみにラムはパナジで手に入れたオールド・モンクを残しておいたもの。

外は雷鳴が轟き雨が降って来た。 実に40日ぶりくらいに見る雨。 今夜は早々に寝る予定。

今回インドに来てから初めての雨である。デリーに到着したのが2月26日だったので、一ヶ月以上も雨とは遠ざかっていたことになる。思えば成田を出発する日は小雨だった。今から思えばあれはこの旅へのはなむけの雨だったのかもしれない。

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