〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時1ルピーが約2円だったので、ただ単に2倍にすれば円価になります。 2010年4月5日(月) 列車→コーチン 晴 30℃ 夕方から雨が降り出す 7時頃、同じシートの人(夜なら上段)が乗り込んで来たため、起きてベッドをたたむ。寝不足である。 カツレツサンドRs.25とチャイRs.5の朝食 椰子の林がすごい!! ゴム園もあった。 10:58着 リキシャRs.40 11:15 メイン・ジェッティー着 船は11:10が出たばかり。次は11:50発 11:50 定刻に船は出た。 ウィリンドン島を過ぎると波間にイルカのヒレが見えた。数頭いる模様。 マッタンチェリーの桟橋で人が大勢下りて行く。 仕方ないのでもうRs.2払ってマッタンチェリーで下りる。 オートリキシャでチャイニーズ・フィッシングネットまで行く。Rs.30 チャイニーズ・フィッシングネットをしばらく見てホテルを探す。 もう少し歩くと、当初予定していた「elite」の前に出た。 |
【以下の解説は2012年10月26日のものです】
〔以下メモに解説を加えて〕
2010年4月5日(月) 列車→コーチン 晴 30℃ 夕方から雨が降り出す
7時頃、同じシートの人(夜なら上段)が乗り込んで来たため、起きてベッドをたたむ。寝不足である。
なんとまあ7時になってから乗客が乗り込んで来た。もっと早い時間なら上段寝台で横になるところだろうが、さすがにこの時間だと座席車として相席するしかないだろう。到着予定時刻が10時55分なので、できればもう少し寝ていたかった。
カツレツサンドRs.25とチャイRs.5の朝食
「カツレツ」というのは、ほぼ「コロッケ」である。肉を食べない菜食主義者も多いインドでは、とりあえずベジタリアン用に作っておけば誰でも食べられるので、こうした軽食はまず肉は使っていない。でもこれをパンに挟んで食べると、そのまんまコロッケパンのようになりおいしいのだ。
椰子の林がすごい!! ゴム園もあった。
南インドに入ると椰子の木が至る所にわさわさあり感激する。また水量も豊富で大地がまるごと瑞々しく見える。特にラジャスタンやグジャラートといった乾燥地帯を経て来ると、その感動ぶりはことさらなのである。
10:58着
到着予定時刻が10時55分であるのに対し、実際の到着時刻が10時58分とはほとんど神業ではないだろうか。なにしろこの列車は一晩かけて約850kmを走って来たのである。これが神業でないとしたら、かなり余裕のある運行計画を申告しておき、途中で時間調整しながら実力の60%くらいで走っていたとしか思えない。そうなのか?インド国鉄。
体重計Re.1 66㎏
出口へ向かう途中で体重計を発見し、乗る。少し体重が減っていた。
リキシャRs.40
これから向かうのは、コーチン(コチ)の中のフォート・コーチンという地区なのだが、そこはフェリーで海を渡って行くのが一番安くて早いのである。なのでまずは駅から船着き場へ行かなければならないのである。オートリキシャでそこまで40ルピーという料金は、まあまあの値段ではないだろうか。
11:15 メイン・ジェッティー着
「メイン・ジェッティー」というのはフェリーの発着する船着き場のこと。コーチンにはこの他にも「ハイコート・ジェッティー」とか「シーロード・ジェッティー」とかジェッティーがいろいろあるので、間違えないようにしっかり行先を告げなければならない。 メイン・ジェッティーは9年前に来た時とは比較にならないほどきれいになっていて、ここでオートリキシャから降ろされたときには、違うジェッティーに来てしまったのではないかと思い、ドライバーに何度も確認してしまった。
船は11:10が出たばかり。次は11:50発 切符Rs.2.5 10分前に売り出す。
フェリーの乗船券は常に販売されているわけではなく、出港直前にならないと窓口が開かない。窓口は二つあるが、右側は女性専用なので左側だけ不自然に列が長くなる。女性客が途切れると男性にも売るが、後から来た女性は当然横入り状態で優先的に買える。ちなみに優先権を利用して買う場合は、一人二枚までの販売のようである。なので三人以上の女性グループはそれを踏まえた人数で買いに行かなければならず、またカップルの場合は女性が買いに行けば男性の分もすぐに買えるということになる。
11:50 定刻に船は出た。
10分間で乗船券を売り、フェリーは定刻に桟橋を離れた。なるほどこれなら窓口業務に無駄な人員を配置しなくて済むわけで、それがコスト削減につながっているなら実にあっぱれなことである。しかし職員の労働軽減にしかなっていないのなら単なるサボタージュである。なにしろ乗客の方は販売開始までその場で待っていなければならないのであるから。
ウィリンドン島を過ぎると波間にイルカのヒレが見えた。数頭いる模様。
フォート・コーチンは鉄道駅のある本土側(エルナクラム地区)から見て、ウィリンドン島を挟んだ向こう側に突き出た半島の先っぽにある。それらの地区はすべて道路で結ばれていてバスでも行くことができるが、荒天でない限りフェリーの方が快適で面白味がある。
マッタンチェリーの桟橋で人が大勢下りて行く。 外国人観光客もここで下り、船はガラガラになってしまった。 5分ほど停泊し再び出港。 車掌(?)が検札に来て行き先を聞くので「フォート・コーチン」と答えると、「今のところがフォート・コーチンだ!!」と驚いていた。驚くのはこっちの方である。
と言うことで、「マッタンチェリー」と思ったのは間違いで、そこは目的地のフォート・コーチンだったわけである。しかしどう見てもそこは9年前に何度か(と言っても3度ほどか)利用した「フォート・コーチン」の桟橋ではなかった。後に徒歩でも確認したし、帰りにはこの桟橋からフェリーに乗ることになったが、やはり位置的に見て以前利用したものとは違っていた。しかしそんなことをいつまで言っていても仕方がないのである。一度桟橋を離れた船はもう戻ってはくれないのだから。
仕方ないのでもうRs.2払ってマッタンチェリーで下りる。
別に行きたいわけではない場所に行くために、また2ルピー払うのはなんともやるせない。
オートリキシャでチャイニーズ・フィッシングネットまで行く。Rs.30
「マッタンチェリー」というのはフォート・コーチンの隣の地区で、幸いなことに地続きの場所である。またマッタンチェリーにも観光スポットがあり、観光客目当ての土産物屋などもたくさんあってなかなかにぎやかである。しかし今は「まずは宿探し」と、予定通りフォート・コーチンを目指すのである。で、オートリキシャを利用してさらに30ルピーの余計な出費なのである。
チャイニーズ・フィッシングネットをしばらく見てホテルを探す。 ネット前のホテルはどこも高そう。 細い路地に入り、一軒目で聞くとファミリールームしか空いていないとのこと。Rs.8000以上するらしい。
「チャイニーズ・フィッシングネット」とは、巨大な四手網を丸太を組んで造った装置で上げ下げして魚を獲るというもの。この地域の名物になっていて、場所の目印にもなり便利である。 ここは古くから貿易で栄えた土地であるため、かつてのお屋敷を利用したホテルなどもあるが、やはりそういうところは料金が高めである。
もう少し歩くと、当初予定していた「elite」の前に出た。 試しに空室を確認すると、「ある」とのこと。A/C付Rs.1200 なんとベッドが三つある広い部屋。
この宿はガイドブックにも載っていて、それゆえ私も事前にリストアップしていたのだが、それはあくまでも料金の目安とするためで特にここに泊まりたい理由があるわけではなかった。でもそこが目に留まり、部屋も空いているとなればそれは立派な「縁」である。よろこんで泊めて頂くのである。