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2016年グジャラート再訪・第16回 / ディウでの宿探し

         
  • 公開日:2017年9月26日
  • 最終更新日:2022年5月21日

すでに一時間以上も歩き回り、もうへとへとである。だいぶ陽も傾き、時刻はそろそろ5時になろうとしている。

やはりディワリ(インド正月)の休みはまだ続いているらしく、しかも今日は週末ということもあり、宿はどこも満室であった。

バスで親切にしてくれたおじさん推薦の宿に始まり、路地をかなり深く入り込んでまでの宿探しはすべて失敗した。

インド・ディウの裏路地

犬よ、お前はちゃんと今夜の寝床があるのか。

さらに最後の手段と、海沿いのメインストリートに面した、誠に雰囲気の良い高そうなホテルにも行ってみたがダメだった。まあそりゃそうか。でも裏をかいてというつもりだったのだ。

かくなる上は、またバスに乗って別の街に行ってしまおうかとも思ったが、その前にちょっと一休み。こんなに疲れ果てた体と頭では、妙案も浮かばなければツキも回って来ないだろう。

売店でコーラを買い、ベンチに座ってゆっくり飲む。
目の前には先ほど断られた高そうなホテルがあり、家族連れが楽しそうな顔をして出入りしている。きっと今夜は海の見える部屋に泊まるのだろうな。いいなあ。

空き瓶を返しながら店のおっさんに「宿はどこもいっぱいだねえ。泊まるところが全然ないよ」と言うと、「裏通りには行ってみたか?」と言う。裏通りも裏通り、かなり奥まで行ったけどなかったと答えたが、そこでふと、ディワリ休暇の上に週末の重なったこんな日に、地元の人であろうこのおっさんが、言下に「そりゃ無理だ」とは言わずに「裏通りに行けば」などと言うということは、もっとよく探せば空き部屋のひとつくらいあるかもしれないと思い直した。まあ一休みして少し元気が出たということもあるが、とにかく「もう一度裏通りを探してみるか」と、おっさんに言うとともに自分にも言い聞かせ、元来た道を引き返した。

まず行ってみたのは、先ほど素通りしてしまったゲストハウスである。
そのゲストハウスはフロントが2階にあるため、そこまで上がるのが面倒でやめてしまったのであった。情けないことにその時私は足が釣ってしまっており、痛くて歩くだけで精一杯、階段など上がれるような状態ではなかったのである。
それが先ほどの休憩で足の釣りは収まった。もしかしたら脱水症状かなにかだったのだろうか。

今度はちゃんと2階のフロントに上がって行き、空室があるか聞いてみると、なんと「ある」と言うではないか。うそでしょ。

インド・ディウのゴールデンゲストハウス

フロントが2階というのは、やはり商売としては不利なのだろう。

値段を聞くとエアコン付で3000ルピー(約4800円)、エアコンなしで2500ルピー(約4000円)とかなり高い。
「足下を見る」という言葉は、昔の駕籠かきが旅人の足の疲れ具合を見て取り、その弱みに付け込み高額な料金を要求するところから来たものだそうだが、この時の私はまさしくそうだったのかもしれない。まあ「お正月料金」ということもあるのだろうし、だからこそ空室があったのだろうけど。
部屋を見せてもらうとこれまたかなり狭い部屋ではあったが、そろそろ日も暮れるし、もうこれ以上体力と時間を使うのも嫌なので泊まることにした。しかも二泊である、なにしろ一泊だと明日の朝またバスに乗ることになり、ただ単に寝るためだけにディウに来たことになってしまうのである。

インド・ディウのゴールデンゲストハウス

部屋の窓は外廊下に面したひとつだけ。手前の通路を入ったところに入り口のドアがある。

宿の名前はゴールデン・ゲストハウス。与えられた部屋は3階の206号室である。
南側に窓があるが、窓の前は外廊下になっているので、あまりカーテンを開け放ってはいられず、ちょっと息が詰まる感じがする。

ベッドはセミダブルくらいのものがひとつあり、あとはエアコンとテレビがある。
わりと最近リノベーションしたのか一見きれいであるが、掃除はあまり行き届いていない。

インド・ディウのゴールデンゲストハウスの客室

セミダブルほどのベッドがあり、あとはその周りにある程度の「余白」があるのみの狭い部屋である。

ホットシャワーが使えるということだったのだが、蛇口をひねってもお湯が出ない。
とかくこういう宿では、フロントでボイラーのスイッチを入れてもらわないとお湯が出ないことが多々あるため、フロントに下りて行ってそう言うと、スイッチを入れる代わりに従業員のあんちゃんが電熱コイルを持って部屋まで付いて来た。なんでもホットシャワーは朝だけらしい。これもまたインドではよくあることなのだ。

インド・ディウのゴールデンゲストハウスの湯沸かしシステム

従業員のあんちゃんのこの立ち方とベルトの傷み具合からもこの宿のレベルが知れる。まあ、こんなのでお湯を沸かすくらいの宿だからなあ。

あんちゃんはバケツに水を張り、電熱コイルをそこに垂らす。
しばらくしてコイルを持ち上げ、これくらいでいいかと聞く。
私がバケツに手を入れてみるとまだ水である。
もう少し温めろと言い、ふたたびあんちゃんはコイルを水に浸す。
しばらくしてコイルを持ち上げ、これくらいでいいかと聞く。
バケツに手を入れてみると、上の方は暖かいが下はまだ水である。なにしろコイルはあまり水に深く入れられないので、そのままでは上しか温まらないのである。
そこでもっと温めろと言い、あらためてあんちゃんはコイルを水に浸す。
しばらくしてコイルを持ち上げ、これくらいでいいかと聞く。
私はバケツの中をゆっくりかき回してみる。う~ん、まだぬるま湯程度である。
しかし私はもうこれ以上、このやる気のないあんちゃんの相手をするのが嫌になってしまい、OKと言って部屋から追い出した。

インド・ディウのゴールデンゲストハウスの湯沸かしシステム

シャワーでもなければホットでもない。せめて自分でやらせて欲しいものである。

ぬるま湯ではあるが体が洗えるのはうれしい。
さっそく湯あみをしようと思ったらタオルも石鹸もなにもない。
しかたなくもう一度フロントに行く。まったく何回階段を上り下りさせるのだ。
それにしても客から言われるまで何もしないとは、気が利かないにもほどがある。

とまあ、狭い、高い、やる気がない、の三拍子そろったゲストハウスではあるが、路頭に迷うよりはずっと良いのである。

*情報はすべて2016年11月時点のものです。

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インドの伝統工芸細密画