うりうりがうりうりにきてうりうりのこしうりうりかえるうりうりのこえ・・・うりーゃーおぅ!
まったくうりうりうり気が狂いそうです。
とまあ、これは早口言葉だか舌の運動だかわかりませんが、とにかく「瓜売り」という職業の人を表した文なわけですね。おそらくその瓜売りは天秤棒の前後のカゴに瓜をたくさん入れて路地から路地へと売り歩いていたのでしょう。光景が目に浮かぶようです。
さて、インドでもそんな風に路地から路地へ売り歩く小商人というのはたくさんいるのですが、それとは別に人の集まる場所でうろうろしながら商品を売り歩く人たちがいます。
はい、この人もそんな中のひとりなのですが、彼が売っているのはぬいぐるみです。見れば手にはモソチッチが握られ、ビニール袋の中にはミッキーマフスが入っています。
*注:有名なキャラクター商品ではありませんのでお間違えのないように。
このような物売りは特に観光地でなくても人が大勢集まる場所ならどこにでも出没し、彼らの手によっていろいろな商品が売られているのです。
たとえばニューデリーあたりで言いますと、紳士用のベルト、サングラス、スポーツバッグ、靴下、ハンカチ、サイフといった実用品がよく目に付きます。
で、写真の彼に話を戻しますと、やはり実用でない商品なのであまり売れ行きがよくないようです。経済発展著しいインドのしかも都市部とはいえ、こうしたおもちゃを買うのは後回しになるのでしょう。「衣食足りて礼節を知る」なのです。
ではなぜ彼はあまり売れそうになく、しかも非常にかさばる商材を商うのかといえば、それは「元締め」の指示なのです。
彼らの多くは地方からの出稼ぎで、少ない資本(たぶん保証金を積んで)でこうした仕事にありつくのですが、どこで何を売るかを決めるのは元締めの裁量なわけです。なのでこの写真の彼はまだ新参者で、比較的効率の良い「小さくて」「実用的な」商品を扱わせてもらえないのだと思うわけです。
その点私の顔見知りのビハール州からの出稼ぎ男は毎回サイフを担当していますので、なかなか地位が高いのかもしれません。なにしろ私の顔を見るたびにチャイやジュースをおごってくれますので、結構稼いでいるんじゃないでしょうか。
ただ残念なことに彼も農閑期の出稼ぎなので、いつでもそこにいてチャイをおごってくれるわけではないのです。早くサイフ売りを本業にして、私がチャイを飲みたくなったときにいつでもおごってくれる態勢を確立して欲しいと思うわけであります。
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