〔当時のメモより〕 *金額に関しては当時1ルピーが約2円だったので、ただ単に2倍にすれば円価になります。 2010年4月9日(金) クイロン→トリヴァンドラム 晴 30℃ 一度6時頃目を覚ますが、再び寝て8時過ぎに本格的に起き出す。 9時半頃チェックアウトしてバスターミナルに向かう。かなり暑い。 トリヴァンドラム行のバスはすぐに来て、なんとか3人掛席の窓側を確保することができた。 バスは以前乗った急行バスとは違い、かなり途中のバス停に停まる。バスターミナルにも2,3箇所立ち寄った。 2時間以上掛けて、12時過ぎにようやくトリヴァンドラムのバススタンドに到着。 宿の客引きのおっさんがA/C付でRs.700と言うのでついて行く。 するとまた別のじいさんが「ついて来い」というジェスチャーをする。 生ジュース屋で休む。オレンジジュースRs.25 結局じいさんの案内で、バススタンドからも近いホテルに部屋を取る。Rs.1300と高かったがしかたない。 チェックイン後食事に出る。 駅へ行き体重を量る。 |
【以下の解説は2012年11月6日のものです】
〔以下メモに解説を加えて〕
2010年4月9日(金) クイロン→トリヴァンドラム 晴 30℃
一度6時頃目を覚ますが、再び寝て8時過ぎに本格的に起き出す。 虫に刺されて手と頭がかゆい。二の腕は昨日の朝アレッピのホテルで刺されたものだが、まだ少し腫れていてかゆい。頭と指はいつ刺されたかわからないが同様にかゆい。蚊ではないのだろうか。
あきらかに蚊とは違うしつこいかゆみであった。頭を丸めていると何かと楽でいいのだが、虫に刺されやすくなるのが難点である。また頭の刺された箇所が丸見えで実にマヌケである。
9時半頃チェックアウトしてバスターミナルに向かう。かなり暑い。
クイロン(コッラム)のバスターミナルは、昨日船が到着した桟橋のすぐ横にある。つまりそこに行けば水陸双方の交通を都合により使い分けられるということで、実に便利なのである。
トリヴァンドラム行のバスはすぐに来て、なんとか3人掛席の窓側を確保することができた。 でもかなり密着度が高く狭い。まあ立っているよりマシか。
インドの路線バスの多くは、3人掛席と2人掛席の組み合わせで一列に5人が座るようになっている。バスの車幅は日本のものとあまり変わらないようなので、一人分の座席幅は日本より若干狭いということになる。 ターミナルにはすでにトリヴァンドラム行のバスを待っている人がたくさんいたが、乗り場にゆっくり近づいて来たバスが若干手前で停車した際、わっとばかりにみんなしてそちらに行ってしまい、またそれをあざ笑うかのようにしてバスが所定の位置まで再移動して来たため、慌てて右往左往した人たちは出遅れてしまった。お蔭でそれを静かに眺めていた私はすんなり座れてしまったのだった。なんだか申し訳ない気もしたが、こうした路線バスは私の様に始発から終点まで乗る人は極めて少ないので、まあいいんじゃないのと思うことにして、良心の呵責から逃れて目を車窓に転じたのであった。
バスは以前乗った急行バスとは違い、かなり途中のバス停に停まる。バスターミナルにも2,3箇所立ち寄った。
大半は道端の標識だけのバス停だが、屋根付の待合所が設置されたターミナルも要所要所にある。クイロンからトリヴァンドラムに向かっていると、なぜかバスターミナルは右側に設置されていることが多く、バスはその都度右折(インドは日本と同じ左側通行)で構内に入り、ループを描くように右回りで再び道路に出ることになるのでちょっともどかしいのである。
2時間以上掛けて、12時過ぎにようやくトリヴァンドラムのバススタンドに到着。 工事中のようで以前のイメージとはだいぶ違っていた。
トリヴァンドラム(ティルヴァナンタプラム)のバスターミナルは工事中で、周りをぐるっと板塀で囲んでしまっていたために9年前の印象とはだいぶ違い、ちょっと戸惑ってしまった。
宿の客引きのおっさんがA/C付でRs.700と言うのでついて行く。 かなり歩いて着いたホテルで満室と断られる。さらにその先のホテルに案内しようとするので料金を確かめるとRs.1200とのこと。やめて引き返す。
トリヴァンドラムはケララ州の州都であり、バスターミナルは鉄道駅のすぐそばでもあることから人が多く、従って宿の客引きもうろうろしている。 そんな客引きの一人に着いて行ったのに、満室で入れないとはどういうことであろうか。普通客引きは宿の空室状況なども把握した上で案内するものだと思っていたが、どうやらここでは違うようであった。
するとまた別のじいさんが「ついて来い」というジェスチャーをする。 料金を確認しようとすると言葉が通じない。英語が判らないのかと思ったら、言葉自体がしゃべれないようだった。 このじいさんが案内してくれたホテルも満室だった。街中に政治がらみらしい看板が出ているが、そのせいだろうか? 広い交差点を渡った先のホテルまで行ってみたが、Rs.2000のスイートしかなかった。
所詮他人を頼ったのがいけないのだと、今度は自分の力で宿探しをしようと歩き始めたのだが、道端でじっとこちらの目を見据えているじいさんの視線に見事にからめ捕られ、そのさも自信ありげな態度に素直に従ってみることにした。 ところがこのじいさんも先ほどの男と同じレベルで、ただ単にホテルの場所を知っているというだけであった。またじいさんは言葉を発することができないので、連れて行かれたホテルで空室や料金の確認をするのも自分なのである。 それにしても手頃な部屋はどこも満室であった。さすが州都のそのまた中心地だけのことはある。
生ジュース屋で休む。オレンジジュースRs.25 じいさんにはRs.20あげて別れようとしたが、じいさんはまだまだやる気のようで、両手を胸の前で折り曲げてかじかむポーズを取り「やっぱりA/Cは必要か?」と聞いてくる。こちらも自分を指差し、かじかむポーズで「A/Cは必要だ」と答える。
昼日中の炎天下を歩き続け、さらにホテルで断られ続けて疲れ果ててしまい、ジュース屋で休むのをきっかけにじいさんには引導を渡してしまおうと思ったのだが、じいさんは私が想像する以上に必死だった。 その迫力に負け、私もジュースを飲みながらじいさんと身振り手振りで意思疎通を図り、こうなったらとことん任せて見るかという気になったのであった。
結局じいさんの案内で、バススタンドからも近いホテルに部屋を取る。Rs.1300と高かったがしかたない。 じいさんは食べるポーズとお腹が空いたポーズでお金をくれと言うので、フロントを指差し「あちらからもらえ」と返すが、じいさんは「くれない」のポーズ。仕方がないのとかわいそうなのとで、先ほどあげたRs20を取り返しRs.50あげたら嬉しそうだった。
結局最初にじいさんと会った辺りまで戻ることになり、しかも前の男に連れられて行ったホテルより高い所になってしまったが、まあこれも何かの縁であろう。 前述のようにこの辺りの客引きはホテルの場所を知っているだけのようで、特に宿から依頼されて行っているのではないらしく、成果報酬は客の方から貰うようであった。
チェックイン後食事に出る。 バススタンドの定食屋で、チキンビリヤーニRs.60を食べたが、ちょっとイメージの違うものであまりおいしくなかった。
「バススタンドの定食屋」というのはいわば駅前食堂である。たくさんの人が行き交うバスターミナルにある食堂なので、メニューは限定されたものしかなく、結果チキンビリヤーニと相成った。「ビリヤーニ」はご飯料理のこと。炊き込みご飯と紹介されることもあり本来はそういうものなのかもしれないが、ほとんどフライドライスと変わらないものをビリヤーニとして供する食堂もあるので何とも言えない。 ここで食べたものは炊き込みと言うより蒸したご飯といった感じで、味も薄くあまりおいしくなかった。でも客引きのじいさんの稼いだ50ルピーでは食べることのできない料理なので、あまり贅沢を言ってはいけないのである。
駅へ行き体重を量る。 68Kgに増えていた。
恒例の体重測定である。粗食の上に酒ばかり飲んでいては体重が増えるわけがないと思うので、増加分はここの体重計の「オマケ」なのであろう。 インドではコイン式体重計は珍しい存在ではないが、そこに乗る人は珍しいのかいつもたくさんの人に囲まれての計測となるのである。