インドは実に広く、それぞれの地域に様々な文化があるわけですが、オートリキシャも本当にいろいろなタイプがあるものです。
今回のものはラジャスタン州はシカール(Sikar)周辺に走っているオートリキシャです。シカールはジャイプールとビカネールのちょうど中間地点に位置する街なのですが、その辺りではこんなタイプが活躍しています。実にかっこいいのです。
特徴はフロントのU字型のペインティングとルーフ周辺のデコレーション、そして何と言っても開放された後部座席でしょう。
ご覧の様にこのオートリキシャには、通常の後部座席のさらに後ろに後ろ向きの座席があります。
なんだか「後」という言葉が並んでしまいましたが、つまりシートは三列になっていて、一番後ろのシートの人は過ぎ去っていく路面を眺めながら進むことになります。
このシートアレンジは古くはタンガ(馬車)にも見られるもので、そう言った意味では「現代のタンガ」略してゲンタンなどと呼んでもいーのではないかと思います。
そんなタイプのオートリキシャですから、これは設計段階から「乗合い」を考慮して造られたものなのでしょう。実際乗客を満載して走っている姿をよく見かけました。
もちろん通常のオートリキシャのように一人で乗ることも可能です。
でも、このタイプのオートリキシャに乗るなら、ぜひとも最後部の座席に乗りたいものです。
フィルムの逆回しの様にどんどん遠ざかるインドの大地を眺めていると、昔にタイムスリップする錯覚に陥り、気が付くとオートリキシャではなくタンガに乗っていた・・・なんてことになっているかもしれませんよ。
ちなみに私はシカールの街は通り過ぎただけなのですが、何としてもこのオートリキシャの写真が撮りたくて、ドライバー氏(その時私はツーリストタクシーで移動中でした)にその旨を告げたのですが、なかなか写真を撮れるチャンスが訪れずヤキモキしていました。なにしろ日没がすぐそこに迫っていたのです。
そんな私の焦りを察知したドライバー氏は一言私にこう言いました。
「なあに、途中で撮れなくてもジャイプールに行けばオートリキシャなんて山ほどいますよ」
それじゃダメなんだよ! ぜんぜんタイプが違うじゃねーかよ!
少しムッとしながらオートリキシャの違いを力説する私の言葉も、そんなものにはまったく興味のないドライバー氏にはなんのことやらよく理解できなかったようで、そんな態度がさらに私をムッとさせたのでありました。
さて、
このブログをお読みになったあなたはどうでしたか?
えっ?
なんのことやら?
・・・
ムッ!
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