私は高所恐怖症です。
そのためか、自分が頂点に立っている塔が倒れて行くという夢もよく見ます。
覗き込んだ地面が、初めはゆっくりと、そしてだんだんと加速度を上げながら迫って来るあの恐怖と言ったら・・・
そう、それはちょうどこんな感じの塔でした。ここはオールドデリーにあるイスラム教のモスク「ジャマー・マスジッド」です。
かのタージマハルで有名なシャー・ジャハンが建造した礼拝所です。
イスラムモスクの造りといえば、中央に礼拝堂、その上にタマネギ形のドームが乗っかり、両脇にはミナレット(尖塔)が立つというのが一般的かと思いますが、ここジャマー・マスジッドもそんな造りです。
そしてここでは、向かって左側のミナレットに上ることができるのです。
で、上ってみたわけですよ。高所恐怖症なのに。
塔の中はとても薄暗く、壁にそって螺旋階段がついています。
そんな階段をぐるぐるぐるぐる上って行きますと、ついに頂上の見晴台に出ました。
見晴台の床面積はとても小さく、しかも防護柵が無いに等しい造りですので、塔の高さと相まって恐怖感がつのります。
そして何より、この塔がはるか350年前に作られたものだと思うと、もう恐くて恐くて上って来たことを後悔してしまいました。
まさか350年間無事に立っていた塔が、今日に限って倒れるということはないだろうなあ・・・
そんなことを思いながら、眼下のオールドデリーの街並みを見下ろしていると、なんだかそれがゆっくりと近づいて来るような気がしたのでありました。
【追記】
後日ジャマーマスジッドで撮った別の写真を見直していて、ミナレットの見晴台には、ちゃんと鉄製の防護網が付いていることを確認致しました。
高所によるあまりの恐怖に、記憶があいまいになってしまったんだなあということで、 お許し頂きたく存じます。すみませんでした。ぺこぺこ。
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