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長年の習慣はそう簡単には変えられないのだ:インドの札束

         
  • 公開日:2014年12月15日
  • 最終更新日:2022年7月25日

みなさまお久しぶりでございます。

二ヶ月のご無沙汰でございましたが、約一ヶ月間のインドの旅を経て本日よりインドの話題を再開させて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。

では、さっそく・・・

これは500ルピー札100枚の束である。つまりこれで50000ルピーであり、1ルピーを2円(2014年11月時点のだいたいのレート)で計算すると約10万円のかたまりということになる。
う~ん、なんとも微妙な額の札束である。

で、この札束は日本のもののように紙の帯封ではなくホチキス(ステップラー)の針で留められている。分厚い札束を留めるのでそれは太くて大きな針であり、しかも3ヵ所に打ち込まれているのでそう簡単に取り外すことができない。

ではどうやってこれを解体するかというと、約半分(つまり約5万円)ずつに分けてしっかり握り、ぐりぐり上下にねじりながら少しずつ針を抜くのである。針は両サイドから打ち込まれているためそれぞれの5万円束に針が残るが、そこからは地道に針から札を抜いて行き、やがてめでたく一枚ずつの500ルピー札となるのである。
なのでこんな札束をもらってしまうと、外で気軽に使うことができないので実に不便なのである。

実はこうした針留めの札束を見るのは久しぶりであった。
いや、別に私が札束になるほどの額を両替しなくなってしまったからではない。なにしろ10年くらい前は50ルピー札でも針留め札束が普通にあったのである。

しかし当時でも「本当はこんなことをしちゃいけないんだ」と言う両替屋のおやじもおり、本来は通貨であるお札に針を打ち込むなど決して許される行為ではないのであろう。
実際その後政府もしくは中央銀行からそういうお達しがあったのか、徐々に針留めされたものは見られなくなって行ったのである。

ところが今回図らずも針留め札束の生息が確認され、外すのが面倒な反面、なんとも懐かしくてちょっと嬉しかったりもしたのである。

ちなみにこうした針留めはガンディーの肖像画の側には決して行われない。まあたまに中ほどの一枚が逆さになっていて、あわれガンディーの頭部を針が打ち抜いていたりすることもあるが、さすがに建国の父であり偉大なる魂と尊称されるガンディーに針打つ人はいないようである。

ただし、顔に文字を書くのはあまり抵抗がないようではあるが・・・

真鍮製のアンティーク弁当箱