インドの食べ物といえばカレーである。
もっとも日本のカレーとは違うものではあるが、日本人からしたらインドのスパイシーな食べ物はやはり「おっ、カレー味だ」と思うのである。
で、インドに行ってそういうものをずっと食べ続けていると、お腹の具合がちょっと悪くなったりする。そして舌の方もカレー味に飽きてしまったりする。これは味噌醤油味で育ったニッポン男児の私には仕方ないことであり、なんぴとたりとも責めてはいけないのである。
でまあ、そういう時私はスパゲッティーを食べたりするのである。これは味がトマトベースであることに加え、アルデンテという言葉を知らないインド人が、手間暇かけてじっくり麺を茹で上げてくれるために実にお腹に優しい柔らかさに仕上がり、カレー味とそのスパイスに痛めつけられたお腹を癒すには持って来いなのだ。つまりインドのスパゲッティーは、私にとってお粥感覚の食べ物なのである。おとっつあぁん、パスタが煮えたわよ、なのである。
しかし最近デリーなどの都会では、ひそかに「アルデンテ」という言葉が浸透し始めているらしく、もしかしたら近い将来お腹に優しいスパゲッティーは駆逐されてしまうかもしれないと危惧されるのである。
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