インドには物乞いを生業としている人たちがいます。ちょっと変な言い方かもしれませんが、彼ら(彼女ら)はプロの物乞い(集団)といったところで、そのことは映画「スラムドッグ$ミリオネア」(原作「ぼくと1ルピーの神様」)の中にも描かれております。
私にはそういう組織の詳細や実態などはよくわかりませんが、実際インドの街を歩いている時に物乞いに行く手を阻まれたり、車やオートリキシャに乗っていて信号待ちのときなどに、ふいに窓から細い手がぬっと差し込まれて来てギョッとした経験は山ほどあります。じゃあそういう時に私たちは物乞いにどう対処したらいいかといえば、それは実に難しいことでありまして、少なくとも「正解」というものはないのではないかと思うわけです。
つまりはまあ各自の考えでやるしかないわけですが、一つ言えるのはあのおびただしい数の物乞いすべてにあまねくお金をあげるのは不可能だということです。
そりゃあまあ計算上では(たとえば国際援助などで)一人に1ルピーずつあげることは不可能でもないでしょう。日本国民全員に1円ずつあげるより安く済むと思います。
でもいくら物価の安いインドでもひとり1ルピーというわけにはいかないわけですよ。
実際に私は、か細い声で「なにか食べたいから1ルピーおくれよ~」と言いながら、弱弱しく車の窓から手を差し入れて来た少女に額面通り1ルピーをあげ、「これっぽっちじゃなんにも食べられないよお~」としつこく増額を要求されたことがあるのです。
で、その対応も人それぞれでしょうが、私の場合は一切の上積みを認めず、逆に先の1ルピーの返還を求めました。
するとその少女は先ほどのか細い声と弱弱しい態度を一変させ、するどく捨てゼリフを吐いたかと思うと、脱兎の如く走り去って行ったのであります。
ホント、こーゆー問題は実に難しいなあ・・・
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