このコーナーは当サイトに関する最近の検索キーワードの中から、「これはいっちょちゃんとお答えしとかなきゃいけませんね」というものをピックアップして、頼まれてもいないのに勝手に回答してしまうコーナーです。 そもそもその検索キーワードを打ち込んだ方はすでに当サイトを訪れ、そしておそらくがっかりされて去って行かれただろうと思いますが、あえてそのさみしげな背中に向かってお答えさせていただきます。 |
今回取り上げる検索キーワードは
「インド くそ」
です。
今回はばっちい話題なので、そういうのに抵抗がある方はここから下に読み進めてはいけません。
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それにしてもすごい検索キーワードである。
探す方も探す方だが、それでひっかかるサイトもサイトである。
しかし確かにインドにくそ(これ以降もう少し品よく「うんこ」と称す)は付き物である。
こんなことを言うとインドの人が怒るかもしれないが、実際日本に比べてインドではうんこが身近にある。そう、それはヴァラナシの火葬場を見て「ここには人の死が身近にある」と思わずつぶやいてしまうのと同じように、うんこは実に身近な存在なのだ。
インドには牛がたくさんいることはご存知かと思うが、牛がいるということはうんこもたくさん落ちているということである。つまり《牛=うんこ》という等式が成り立つわけだが、逆もまた真なりとはならない。なぜならインドには牛だけでなく、ヤギやヒツジ、ウマにブタ、犬と猿とキジ(はいないけどカラスはいる)などがうじゃうじゃいて、そのことごとくがうんこをたれるからである。動物だもの!
しかしインド人はそんなうんこをただ汚いなどと一方的に嫌うことはせず、いろいろに利用する。
一番の利用法は燃料である。
これは主に牛のうんこであるが、ワラを混ぜてこね、適当な大きさにしたものを壁にぺたんと貼り付けて平らにして乾燥させる。
そいつを必要に応じてかまどにくべ、チャパティを焼いたりするのである。他にも堆肥として利用したり、家の壁や床を塗り固めたり、また最近ではガスを発生させてそれを燃料にするなんてことも行われているようである。
しかしインドには、そんなありきたりなものだけではなく、誠に驚くべき利用法があるのである。
それは観光客も多く訪れるニューデリーの中心地コンノート・プレイスのことじゃった・・・ある暑い日、コンノート・プレイスの外周を歩いていると、道端に座っていた靴磨きの少年が私の足下を指差し「ダンナ!靴が汚れてますぜ!」と叫ぶではないか。
私は驚いて立ち止まり、自分の足下を見ると、なにやら得体の知れないものが足の甲の部分に載っている・・・うっ・・・やられた・・・
デリーでは知らぬ間に靴にうんこを載せられ、結果法外な料金で靴磨きをせざるを得なくなったということがガイドブックに書いてあり、私も充分気を付けていたのであった。
が、そんな私の早期警戒システムの網の目をくぐり抜け、敵はまんまと爆撃を成功させたのであった。
これを読んで「そんなバカな」と思う方もいらっしゃるであろう。
しかしこれは事実なのである。
これは靴磨き少年団の集団による仕業であろうと思われる。
つまりうんこを載せる専門の係(これを「載せ子」と呼ぶ)がいて、靴磨き少年のいる界隈で無差別にうんこを載せまわるのである。
そして靴磨き少年(これを「拭き子」と呼ぶ)は通りを行く人たちの中に、目ざとく載せ子の餌食となった人を見つけると、ことさら大げさに「汚い!」を叫んで相手の羞恥心をあおり、汚物を拭き取る対価として大金をせしめるのである。
靴に載せられる物体はあきらかにうんこである。
おそらく水で溶いてペースト状にしたものを、ビニール袋かなにかに入れ、そいつを押すとびゅっ!と飛び出るようにしてあるのだと思う。
物体をうんこと断定する理由のひとつはその匂いである。
私は靴磨き少年のありがたい申し出を荒々しく断り、気を紛らわすために近くのマクドナルドへ入ったのだが、店内で足元から立ち上る芳香にいたたまれず、すぐに外に飛び出してしまったほどであった。
あの強烈な臭気がうんこ以外のなにものであろうか。
もうひとつの理由は、なんといってもコストの安さである。
なにしろうんこはそこらじゅうに落ちているのである。タダなのだ、タダ。
しかし近年ニューデリーでは牛追い出し作戦が繰り広げられ、かつてよりだいぶ少なくなって来たようなので、もしかしたら載せ子も材料の入手に困っているかもしれない。
そうなるともう靴にうんこを載せるなんてことはできなくなるかもしれない。
いや、まてよ・・・うんこするのはなにも牛だけじゃないもんなあ・・・
そもそも載せ子自身だって・・・
人間だもの!
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