結局私は上段ベッドに上がるとすぐに寝てしまった。まだ夕方の4時なのに・・・
実は昨日の朝から下痢をしていて、昨日も街中でお店のトイレに駆け込んだり、入った映画館でも途中トイレに駆け込むなど大変だったのである。
そして今日も調子は悪いままで、朝食にバナナの輪切りにヨーグルトをかけたもの(バナナカード)を少し食べただけで、昼は抜いていたのであった。
なので体がかなり疲れていて、ウォークマンで昭和歌謡を聴きながら横になると、列車の揺れの心地よさですぐに眠りについてしまったのである。
途中何度か目を覚ましたものの、体も瞼も重く起き上がる気にはなれず、それでも何度目かの停車を機にやっとの思いでトイレに行った。
トイレ近くにいた人に尋ねると、アジメールの手前で停車しているとのことだった。
時刻は夜の11時、車内は暗くまたみな毛布をかぶって寝てしまっているのでよくわからないが、すでにジャイプルまでの親子は降りてしまい、今はまた全然別の人がその席で寝ているはずである。昭和歌謡の世界に浸りきって寝ていた私は、乗客の入れ替わるのさえ気づかなかった。
列車が止まる振動と周囲の人の動く気配で目を覚まし、窓の外をうかがうとすっかり明るくなっていた。
周りの乗客がほとんど降りてしまったので、下段ベッドを椅子に変えて一人くつろぐ。
16時間とまではならなかったが、14時間くらい寝たきりだったので腰が痛い。
この列車の終着駅であり私の目的地でもあるアーマダバード・ジャンクション駅には7時56分に到着した。
定刻からは16分の遅れであるが、900km以上走っての16分である。つまり1kmあたり1秒程度の遅れであるからして、これで「まったくぅ、インドの列車はいっつも遅れるんだよなぁ」と言ったらかわいそうである。
乗っていた車両が前の方だったので、近くの階段を上がるとそのまま駅舎の外に出てしまった。
なお、この駅舎の中にはグジャラート州観光局の出張所があり、地図や観光パンフレットなどをもらうことができる。ただしこの時間はまだ開いていない。
駅前にはオートリキシャやタクシーがたくさん停まり、客引きも寄ってくるがあまりしつこくない。
私はバスで行くつもりだったのでそう言うと、みなあっさり引き下がる。
駅から一番近いバス停は、駅前通りを左に少し歩いたところにある。
全体から見たら一部であろうが、アーマダバード中心部は路線バスの専用レーンが整備されていて、バス停もプラットホーム式になっている。
一見乗り降りしやすく便利そうに見えるが、このホームは交通量の多い道の真ん中にあったりして、そこにたどり着くまでが一苦労なのだ。
周りの人に自分の行き先である「ラールダルワーザ」を告げ、乗るべきバスが来たら確実に教えてもらえるようにする。
しかし往々にしてその人の乗るバスが先に来てしまったりするので、同じことを何度か繰り返さなければならない。
しかもバスはいきなり現れ、かなりのスピードでプラットホームに突っ込んで来るので、教えてくれる人も行き先表示板を読んで私に教えるまでの時間があまりなく、無事に目的のバスに乗り込むまで手に汗握る展開が繰り広げられた。
バスは専用レーンを突っ走るので実に早い。
さらに赤信号も完全無視で突っ走る。
もちろんそういう交通ルールになっているのだろうが、前方の信号が赤の交差点に突っ込むときはヒヤヒヤする。
お陰で終点のラールダルワーザ・バススタンドまで実にスムーズに来た。
ちなみに運賃は7ルピー(約12円)だった。
アーマダバードのバスは、早い!安い!赤い!の三拍子なのである。
*情報はすべて2016年11月時点のものです。
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