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2007年7月27日:インド出張レポート・その29

         
  • 公開日:2022年8月2日
  • 最終更新日:2022年8月5日

ラクダ隊商の隊長こと松本です。
その後いかがお過ごしでしょうか。

暦の上では・・・

7月もそろそろ終わろうとしておりますが、関東地方は梅雨明けしたんだかしないんだかわからない状況が続いております。

そんなわけで、このところの日照不足は野菜の価格高騰を招いたりなんかしておりますが、私にとって深刻なのは、どうもイマイチなアサガオの生育状況なのです。

実はこの5月に、仕事場の窓の下にアサガオの種を蒔いたのです。
来るべき夏を快適に過ごせるようにとのことからです。

なにしろ私の仕事場は地球環境に配慮してエアコンがないのです。
まあ正確に言えばエアコンはあるのですが、諸般の事情から電気がね、通っていないのですよ。
いえ、電気を止められてるわけじゃあないのです。ちゃんと電灯は点きますし、こうしてこのメルマガだって電気式のパソコンで書いているのです。決して風力パソコンとか足踏み式パソコンなんてのを使ってるわけじゃあないのですよ。

まあ理由はともかく、エアコンの冷風の恩恵に与れないというのは事実ですので、少しでも夏の暑さを和らげようとアサガオを蒔いたのです。

やり方と致しましては、仕事場の南側の二つの窓の外枠を利用してロープを水平に張り、そこから園芸用のヒモを何本か垂らし、そのヒモの垂れた位置にアサガオのタネを蒔きました。
するってえと発芽したアサガオはやがてツルをヒモにからめ、ぐんぐんぐんぐん天空に駆け上がるように延びて行き、梅雨明けの頃(ちょうど今頃ですね)には仕事場の窓を緑のカーテンで覆い、私はツタのからまるチャペルで祈りなんか捧げてしまっていたはずなのです。

あー、そいうえばこの「♪ツタのぉ~からまぁ~るチャペルでぇ~」って歌の二番の歌詞に、「胸の中に秘めていた、恋への憧れは」ってのがあるのですが、私は子どもの頃この歌詞を「胸の中に秘めていた、『お家』の憧れは」だと思っていたのです。
「お家(おいえ)」ってのは、よく時代劇なんかに出て来る「お家は断絶、身は切腹」の「お家」です。まあ庶民ではなく、良い家柄ってことです。
つまり私は、この歌に出て来る女学生は、家柄のことで悩んでいると思ったわけです。校内にチャペルなんてものがあるおしゃれな私立の女子高に入ったはいいけど、周りはみんなお金持ちのお嬢様ばっかり・・・

ああ、神様、なぜ私の家だけ小さいの?

なぜみんなは自分のお部屋を持ってるの?

しかもお部屋にはエアコンだってあるのよ。

そう、なぜみんなの仕事場にはエアコンがあるのに私の仕事場にはないの?

それはお前がビンボーだからじゃ!

がぁ~ん・・・・

で、

アサガオなわけなのですが、日照不足なのかはたまた狭い場所にたくさん植えたからなのか、今の時点で一番発育のいいもので地上約2mといったところなのです。発育の悪いのになりますとせいぜい50cmくらいしかなく、茎もひょろひょろなのですよ。

これじゃあ仕事場の窓が緑のカーテンで覆われるのは、もしかしたら秋かもしれません。

 

*このメルマガの後半に続きます。

〔 中略 〕

*前半からの続きです。

 

さて、後半はインドのお話しです。

内容は相変わらずビカネールの旅のお話しなのですが、実は大変なことになってしまっているのです。

先週メルマガを書く時間が足りず、ビカネールのお話しも踏み切りでの列車待ちのところで止めてしまったのですが、ふと後を振り返るとかなり後から出発したはずのブログが、なんとすぐそこに来てしまっていたのです。
今日のブログなんて「砂漠の中の踏み切り待ち」って内容で、完全にメルマガに追いついちゃったじゃあないですか!

これはまずいのです。
なにしろあちらは写真付の記事ですので、もしメルマガを追い抜いてしまうと、こんな文章だけのメルマガなんてもう読んでくれなくなってしまうのです。それじゃあなくても先週の手抜き・・・いえ、短縮版で評判が下がってるはずなのですから。

なのでもたもたしてはいられません。今回はあらすじもすっ飛ばして、一気にネズミの寺院になだれ込みます。

では、はじまりはじまりぃ~

踏み切りで長らく待たされてしまっている私たちの目の前を、ようやく大きなディーゼル機関車に牽かれた列車が通り過ぎて行きました。
そして踏み切り番のおっさんが遮断機を上げるのももどかしく、我らがアンバサダーはがたんがたんと踏み切りを越えると、再びスピードを上げて行ったのであります。

目指すはカリニ・マーター寺院!

カリニ・マーター寺院の概要は前回お話ししましたが、とにかくその境内には何百何千というネズミたちが棲息しているという、実にすごいお寺なのです。

車は30分ほど国道89号線を突っ走り、やがて左折して小さな町に入りました。
どうやらここが目的地のようです。

カリニ・マーター寺院の前はちょっとした広場になっていて、我らがアンバサダーは寺院のすぐそばに車を止めました。

寺院は想像していたよりちょっと小さく感じました。
それでも装飾の施された門はとてもきれいで、マハラジャ、ガンガー・シンから贈られたという銀の扉も立派なものでした。

さて、いよいよこれから寺院の中に入るわけですが、その前に靴を脱がなければなりません。
まあここに限らずインドには、靴を脱がなければ入れない場所は多々ありますので、別に珍しくもなく驚くことでもないのですが、この寺院に関しましては、どうもちょっと靴を脱いで入るのに抵抗があります。
だって寺院内には何百何千と言うネズミたちがうごめいているわけで、当然その排泄物なんかもそこら中にあると思うわけですよ。
そりゃあ靴下は履いたままでいいとしてもですよ、靴下にじゅわぁ~とウンコ汁が染み込むというのも、あんまり気持ちのいいものではないでしょう。

しかしまあここはあくまでも神聖なる信仰の対象である寺院です。
郷に入ったら郷に従え、ローマに行ったらローマ人のようにふるまえ、インドに行ったらウンコを恐れるなと言うじゃあないですか。素直に靴を脱ぎ、あとはなるべく設置面が少なくなるようつま先立ちで歩くことにしましょう。
ああ、こんなことならバレエを習っておくんだった・・・

そんなわけで門前の下足番(有料)に脱いだ靴を預け、銀の扉を眺めながらにわかバレエダンサーはよたよたと内部に入って行ったのであります。

さて、門を抜けるとそこは白と黒の大理石で格子模様にした床になっていて、話に聞いていた通りに小さな動物がちょろちょろと動き回っていました。
しかし私はここに来るまで「群れを成したネズミが黒々とした塊となって、もぞもぞとうごめいている」という図を想像していましたので、ちょっと拍子抜けしてしまったのは事実です。

とは言え、やはりそこにいるネズミの数は尋常ではなく、特にところどころに置かれているミルクを満たした平たいアルミ製の大皿にネズミたちが集まっている光景などは、ネズミ嫌いならずとも、女性の方などは鳥肌ものなのではなかろうかと思います。

この寺院には我らがドライバー氏も一緒に入りました。
彼は敬虔なヒンドゥー教徒なので、今回のこの寺院訪問を楽しみにしていたようです。

そんなドライバー氏はここではガイドと化し、私たちにいろいろと説明をしてくれました。

ここのネズミたちはこの寺院から一歩も外には出ない。
寺院の外のネコたちも中には絶対に入って来ない。
何年か前にこの周辺でコレラが流行したが、この寺院の供物を食べていた人は感染することがなかった・・・などなど。

そしてドライバー氏あらためガイド氏は、こんな話を聞かせてくれました。

「ここには実にたくさんのネズミがいますが、その中にほんの2、3匹白いネズミがいて、それを見ることができたら幸せになれると言われています」

えっ、マジ?
都市伝説とかじゃなくて?

そりゃぜひとも見たいじゃないですかあ!

そんなわけで私たちはしばらく、ネズミの出入りしている壁の穴を重点的に睨みつけていたのですが、その気迫がいけないのか、はたまたそう簡単に幸せは歩いて来ない、だっから歩いて行くんだね!なのか、白いネズミはカケラもその姿を見せません。もっともカケラが出て来たら怖いけどね。

すると白いネズミを見るのをあきらめた私たちに、ドライバー氏あらためガイド氏はこう言いました。

「あそこの楽士、ほら、そこに座ってハルモニウム(手風琴というアコーデオンみたいな楽器)を持っているあの楽士が演奏を始めると、不思議なことに白いネズミが出て来るのです」

えっ、マジ?
都市伝説とかじゃなくて?

なんかハーメルンの笛吹き男みたいな話だけど、そんならそうと早く言ってくれればいいのに。

出ないなら、出させてみしょう、シロネズミ、ですよ!

という訳で私は楽士に20ルピー渡し、ハルモニウムを演奏してもらうことにしました。
まあ言ってみれば金で幸せを買ったわけです。

さっそく楽士がハルモニウムを演奏し始め、私たちはまた壁の穴辺りを重点的に、それこそ目を皿のようにして、めん玉が乾くのも我慢して幸せの使者白ねずみ様をお待ち申し上げたのでございます。

ところが白ねずみ様はご就寝中であらせられたのか、はたまた20ルピーの音色がお気に召さなかったのか、ハルモニウムの演奏が終わってもそのお姿を見せることはなかったのです。

いったいいくら出せばお出ましになったのでしょうか?
実に気になるところです。

そんなカリニ・マーター寺院の見学も終え、ネズミのウンコ汁の付いた靴下のまま靴を履くと、門前のお土産屋を覗いて見ることにしました。

さすがに門前です。
お土産といってもほとんどが信仰がらみのものばかりでした。
しかしドライバー氏あらためガイド氏・・・いえ、もう見学を終えたので元のドライバー氏に復帰したドライバー氏は、熱心に商品を物色しています。

そして手にしたものは、ご神体の前に置かれたミルク皿に群がるネズミと、その中に一匹だけいる白いネズミという絵の描かれた小さな盾でした。

「白ねずみは見られませんでしたので、代わりにこれを買います」

と言うドライバー氏の手からその盾を受け取り、白ねずみの絵をマジマジと眺めておりましたら、ドライバー氏は同じものを私にも買ってくれました。

わ~い、嬉しいな!

そんな白ねずみの盾は、今もちゃんと私の仕事場に置いてあり、その絵を見るたびにドライバー氏の温かい気持ちを思い出し、幸せな気持ちになるのでありました。

う~ん、今回は実にいい話だなあ~

つづく

 

はい、いかがでしたか?(いつも通り淀川長治風で)

今回はまた前回とは違って長い長いメルマガでした。

おそらく今週は晴れた日が多かったから、調子に乗ってしまったんでしょう。
まったくお天気屋さんって嫌ですねぇ~、怖いですねえぇ~、付き合いづらいですねぇ~

はい、来週はいったいどんな天候になるのでしょうか。
長いメルマガが嫌いな方は、雨が降ることを念じていて下さい。

それでは今週はこの辺で、

さいなら

さうなら

さいなら

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