インドでの「足」にもいろいろありますが、バスや列車などの大量輸送機関ではなく個人的に利用できる乗り物では、その移動距離でおおよそ次のように使い分けられます。
長距離=ツーリストタクシー
中距離=タクシー
近距離=オートリキシャ
ごく近場=サイクルリキシャ
そんな乗り物の中で今回はサイクルリキシャを取り上げるのですが、首都デリーではサイクルリキシャを見かける場所とそうでない場所とがあります。
まず、観光客にもわかり安い場所で言いますと、ニューデリーの中心地コンノートプレイスでは見かけません。
これは当局のお達しで、その区域では営業ができないからです。
では、デリーではどこに行けばサイクルリキシャに乗れるかと申しますと、コンノートプレイスの三重の輪から北に一歩足を踏み出せばそれでOKです。そこにはニューデリー駅へと続く道が真っ直ぐに延び、道の両側にはサイクルリキシャがたくさんいるのです。
でも、ニューデリー駅やメインバザールはそれほど遠くありませんので、歩いた方がいいでしょう。
そんな風にデリーでは、サイクルリキシャの営業ができる場所とそうでない場所とがあるのですが、それ以外にも(その規制と重なってるかもしれませんが)サイクルリキシャ側としても営業に適する場所とそうでない場所があるようです。
なにしろサイクルリキシャは人がペダルをこいで進む乗り物ですので、あまり長距離の移動には使いません。そりゃあ営業許可に触れなければどこまででも乗ることができるかもしれませんが、時間がかかる上に当然料金も上がりますので利用価値はほとんどないと言ってもいいでしょう。つまりサイクルリキシャは、タクシーやオートリキシャの最低料金内を細かく刻む範囲で使うべきなのです。
ということでサイクルリキシャは、バザール+住宅密集地といったところで最大限にその能力を発揮できるのです。
さて、私がデリーでいつも滞在するのはカロルバーグという地域です。
ここには大きな商店街があり、その周辺は住宅が密集していますので、サイクルリキシャの棲息条件が満たされているため、そこらじゅうにサイクルリキシャがうろうろしています。
先日私は、そんなカロルバーグ商店街の北東の端ガッファーマーケットから、西南の端チャナマーケット(私の滞在ホテルの場所)までサイクルリキシャに乗りました。
しかしこのあたりのサイクルリキシャの車夫は、ほとんど英語を解しませんので、交渉は買い物をした商店のおっさんに頼みました。距離は1kmちょっとなのですが、二人で乗りましたので15ルピー(約42円)でした。
そのサイクルリキシャの車夫はまだ少年のように見える男でしたが、実に小気味良く走りました。チャッパル(サンダル)履きの足でペダルをぐいぐいこぎ、どんどん他のサイクルリキシャを抜かして行き、さらには空のサイクルリキシャまで追い抜くほどでした。そしてついに私たちの目指すホテルにたどり着いた時、西日に照らされた若い車夫の顔は、実にほこらしげに見えたのであります。
その顔に、プラス2ルピー!
サイクルリキシャに乗るなら、若い車夫に限ります。
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