デリーにある世界遺産のひとつフマユーン廟は、廟の四方に細い水路が切られ、噴水なんぞもあるという、インド(特に建造当時の)では贅沢な造りになっています。そしてそんな水路は、日々清掃点検が行われ、きちんと管理されているのです。
それもこれもすべてはかつての皇帝の威光・・・ではなく、世界遺産維持のためなのであります。
この時もひとりの男が水路を掃除していました。
男はこの水路をずーと点検して回って来たところのようで、その証拠にほれ、このように水路に男の足跡がくっきりとついていたのであります。きっと陽に焼かれた赤土の上を、ハダシで歩くのがいやだったのでしょう。
いや、それとも自分がここに生きたという足跡を、世界遺産に残したかったのでしょうか。
世界遺産の落書きは大問題になっても、水路の中の足跡は誰も気にしないのでありました。
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