ダヌシュコーディーの先端からの帰り道は、トラックの後部に立って行くことにしました。
なにしろ車内(だからまあホントは「荷台」なのですが)は狭く、しかも胸元あたりまで覆っている屋根で視界が遮られ、外の景色を見るにはかなり体を捻じ曲げなければならないので辛いのです。グループ客のインド人たちは親切心から、しきりに私に「中に入って座んなよ」と勧めてくれるのですが、どっこいそうはいかないのです。
私は「ここに立って行きたいんだ」という意思をしっかり伝え、立ち乗りの中でも一番の特等席である外側の位置をいち早くキープして決して離さなかったのであります。
ところがこのトラックにはさらに特等席がありました。
なんと屋根の上に座ってる人がいたのです。私はてっきりこの人はスタッフの一人で、高い位置から路面状況などを観察し、何かあったら素早くドライバーに伝える、という役割の人だと思ったのですが、よく見ると荷物を持っていたりしますので、どうやら飛び込みの乗客のようなのです。
往きよりも一人多い乗客を乗せ(って、だったら頭割料金は安くなるんじゃないの?)、トラックはその身を左右に大きくかしがせながら砂地をゆっくりと走りだしました。
トラックがスピードを上げるにつれ揺れは激しくなり、気を抜くと振り落とされそうになります。でも、この抜けるような青空の下、風を受けながら白い砂浜を走り、水しぶきを上げて泥濘地を突っ切るというのは実に爽快で、下手な遊園地のアトラクションよりもずっと面白いです。
これで100ルピー(約200円)なら、安いもんじゃあありませんか。
あ~、昨日も乗ればよかったあ~
あぁ、昨日乗ってたら今日は来なかったのか・・・
私と同じように立ち乗りをしている男たちを見ると、やはりみんな楽しそう・・・でもなさそうですね。
たぶん激しい揺れと強い風に耐えてるうちに、顔が自然と険しくなってしまったのでしょう。
屋根の上の男は途中で降りて行きました。そこは昨日私が徒歩で到達した地点よりだいぶ先端寄りのところでしたが、こんなところに家があってそこで生活しているのでしょうか。
それよりもこの人、先端に何しに行ってたのでしょうか。あの袋の中身は、いったい何なのでしょうか。
う~ん・・・
地の果てダヌシュコーディーは、いろいろ不思議なことのあるところだったのであります。
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