東京のインド大使館にほど近いインド雑貨屋のご主人に、「ビカネールに行くなら夜行列車にしなさいよ。車じゃ移動の時間がもったいないじゃないの」とのご意見を頂いていたのですが、途中ジャイプールでの仕事と、ビカネールでの短時間での効率的な行動などを考えて、今回は車をチャーターして行くことにしました。
現在インドでツーリストがチャーターする車と言えば、普通乗用車タイプのインディゴ、それより少し小さいインディカあたりが一般的なのですが、私はいつもアンバサダーを指名することにしています。
今でこそアンバサダーは日本車や韓国車そして欧米車などに押され、次第にそのシェアを縮小させつつありますが、インドの大地をあの鉄の塊のようなボディーで疾走するというのは、実にかっこいいのです。
ええ、それが多少ボロっちい車であってもです。
さて、今回デリー-ビカネール間往復並びに観光その他の移動、総移動距離約1300kmを引き受けたのがこのアンバサダーです。製造年月日は不明ですが、すでに30年以上は走り続けているであろうという代物。
空港へも迎えに来てくれたのですが、停車時にバッテリー上がりを起こし、押し掛けでエンジンを始動させたというイワク付き。
動かし続けると利かなくなるエアコンが付いてるくせに、フロントガラスにデフレクターの装備がないというオトボケ者。
そして人間工学などまったく無縁で、座り続けると腰の痛くなる座席。
そんな車ですが、腐ってもアンバサダーです。郷に入ったらアンバサダー、旅は道連れアンバサダー、袖擦れ合うも他生のアンバサダーなのです。
さて、今回は長距離のドライブとなりますので、ペットボトルのミネラルウォーターと軽いスナック類、飴玉などを用意しておきましょう。
それから着替えの服などを布袋に詰めて、クッション代わりに腰に当てておくと楽です。
さあ、準備ができたらいよいよ出発ですが、まだ車に乗り込んではいけません。
まずはみんなで車を押して、エンジンを掛けるのです。
うんしょ!うんしょ!
ぶろろろろろろろろろ・・・・
今度こそ、出発です!
*すべて2007年3月時点の情報です。
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