インドの大都市に於ける大気汚染は結構深刻な状況でありまして、テレビのニュースなどでも、天気予報の続きで大気汚染情報を流しているほどです。
そんな状況を少しでも改善しようと、首都デリーでは2001年から公共交通機関(バス、タクシー、オートリキシャ)の使用燃料を、すべてCNG(天然ガス)に切り替えました。
そのため各車両はガソリン、軽油などからCNGへと仕様変更しなければならず、なにかと費用もかかったことでありましょうが、ドライバーにとって一番大変だったのは燃料の補給でした。法律上CNG以外の使用ができなくなったにもかかわらず、ガソリンスタンドのCNG供給設備の普及が追いつかなかったようで、街のあちこちに燃料補給を待つオートリキシャなどの長い列ができていたものです。(それは本当に長い列で、裕に100m以上はありました)
さて、それからすでに6年の月日が流れ、今ではCNG補給はデリー市内のあちこちで容易にできるようになりました。もうそれほど燃料補給で待たされることはありません。しかし、CNGで動くタクシーはその行動範囲が「CNG供給地」だけに限られてしまいました。
まあタクシーなどは元々営業地域も限られているのですが、デリーからちょっと足を伸ばそうと思っても、行ける範囲はデリーの隣のハリヤナ州の一部などで、同じくデリーに隣接するウッタル・プラデシュ州には行けないということなのであります。
日本でも今水素燃料の車が注目されておりますが、車の普及には燃料供給場所の整備が前提となるわけで、環境を守るのもなかなか大変なわけであります。
*写真上・CNGのスタンドに並ぶオートリキシャ(2007年3月)
*写真下・スタンドの隅に設置された、たくさんのCNGボンベ
[dfads params=’groups=39&limit=1′]