その後いかがお過ごしでしょうか。
日本列島のほとんどはまだ梅雨の真っただ中ではありますが、すでに各地で海開きや山開き、プール開きに川開き、ついでに物置にしまっておいたパラソル開きなんてのも行われ、本格的な夏はすぐそこまで来ているのであります。
私は夏が好きですので、早く梅雨が明けないかなあなんて思っているのですが、この私の「夏好き」というのはおそらく子どもの頃の夏休みの思い出から来ているのだと思います。
なんたって小学生の頃の夏休みなんて40日もあったわけで、まあ夏休み帳だとか夏のドリルだとか工作だとか読書感想文だとかの宿題もたくさん出ていたとはいえ、どうせまともにやらないので無いに等しかったわけですよ。つまり40日間丸々自由時間だったと言っても過言ではないのです。
でも子どもって自分でどこかへ旅行に行くという甲斐性はありません。それどころかあまりお金もありませんので、映画館や遊園地なんてところにもそうそう行かれるものではありません。まあせいぜい近所の友達と遊ぶくらいのものなのですが、私の場合は近所に友達がいなかったのです。
いえ、私に友達がいなかったのではなく、当時私の家の周りは見渡す限りの畑でありまして、近くに家自体がなかったわけですよ。
そりゃあ普段は30分以上かかるとはいえ学校まで歩いて通っているわけで、そのくらい歩く覚悟をすれば友達の家なんか何軒もあるのですが、なんせ夏ですから暑くてそんなに歩きたくないわけですよ。そもそも夏休みというのは、暑くて大変だから休みなさいっことなわけで、そんな夏休みにいつもと同じように歩くなんて愚の骨頂です。
それなら自転車で行けばいいかというと、これが意外にそうでもないのです。
なにしろ家の周囲の道はすべて狭い農道で、しかもその農道といったら両端に深い轍(わだち)が刻まれていて、中央部分は逆に盛り上がって夏草が生い茂っているという状態なのです。
そんな農道を自転車で走ってごらんなさい。真ん中は草が邪魔で走りづらいですし、かといって深い轍の底を走るのも大変なのです。自転車というのはハンドルを微妙に動かしてバランスを保って走る乗り物なのに、深い轍の底ではその操作がうまくできないので転んでしまうのです。
そこで中央の山脈と轍の谷との中間点あたりにコースを定め、一気に駆け抜けてしまおう! と思うのですが、実はそこに新たな敵が待ち構えているのです。はい、それは砂です。
砂は地面とタイヤとの間に入り込み、タイヤの溝が大地をしっかりつかもうとする邪魔をするのです。つまりタイヤが砂の上に乗っかってしまい、もはや自分の意志とは関係なく、砂とともにあらぬ方に移動してしまうのです。でもってそのあらぬ方というのが轍の底なわけですよ。
まるでアリ地獄のようになった轍は谷の上を掛け抜けようとするタイヤを逃さずとらえ、ずるずると地獄の底に引きずり込むのです。そして自分の敷いたレールの上を走らせようとするのです。
いやだ!ぼくはとうさんの決めた道になんて進まないからな!
ぼくは毎日くだらないブログやメルマガを書いて楽しく愉快に暮らすんだ!
な、なにを言いだすんだお前!
あんなくだらないメルマガでも、うまく書けないと結構へこむらしいぞ。
とまあ、そんな感じで轍からなんとか抜け出そうと(あっ、これは人生じゃなくて自転車の話ですね)もがいてみるのですが、砂と溝の連合軍はかなり手強く、結局ハンドルを取られて転ぶか、運よく転ばずに走れても、自分の行きたい方向ではなく、轍の続くその先へとどこまでも走って行ってしまうのでありました。めでたしめでたし。
ぼくやっぱりとうさんの言う通りちゃんと勉強してまともな人になるよ!
そうか!さすがとうさんの子だ!
はっはっはっはっはっ!
えーと・・・
なんだか自転車と轍と人生の話になってしまいましたが、本当は夏休みはヒマでヒマで困ったという話を書こうと思っていたのです。
う~ん、私にこそ轍のようなしっかりとした指針というものが必要なのかもしれませんねえ。
とうさん! 今から勉強すればまだ間に合うかな?
*このメルマガの後半へ続く
〔本題〕実際のメルマガではここに2010年インドの旅・第5回などが載ります。
*このメルマガの前半からの続きです。
といったところで今回のメルマガはおしましです。
それではみなさん次回まで、
ごきげんよう!