インドでは庭先や道端に置かれた縁台のようなものに、何人かの人たち(たいていは男です)が腰掛け、チャイを飲んだりタバコを吸ったり、はたまたひたすらぼぉ~としていたりという光景をよく見かけます。
実はその縁台のようなものはチャールパイ(「四脚」の意だとか)と呼ばれる簡易ベッドなのです。
チャールパイは長方形の木枠に荒縄を張り巡らせただけのもので、本来の目的であるベッドとして使うのはもちろん、前出のように昼間は屋外に持ち出してベンチ代りにしたりと、昼夜を問わず使えるとても便利な家具なのであります。
で、写真の老人も家の外に置かれたチャールパイに座ってぼぉ~としているのですが、ただぼぉ~としているだけではありません。ちゃんと動物の番をしているのです。 ほら、よく見て下さい。これ犬じゃないですよ、ヤギですよヤギ。ヤギを3頭もチャールパイにつないでいるのです。
しかしこのヤギたちが何かの拍子に興奮して一斉に走り出したらすごいでしょうね。
石畳の道をガコンガコン跳ねながら疾走するチャールパイから振り落とされないように必死にしがみつく老人は、まるで暴れ馬に果敢に挑むカウボーイのようで、さぞかしカッコいいことでしょう。
ふふっ、わしの若い頃にゃ、これしきの暴れチャールパイなんざあ、なんなく乗りこなしたもんじゃよ・・・
と、昔の思い出に浸り、今は動き出す気配のないチャールパイに腰掛ける老人だったのであります。
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