これはマウント・アブーからアーマダバードへ行くバスです。最近のインドの長、中距離バスは見かけがとても立派になりましたが、基本的にはたいていエアコンが付いていません。はい、このバスももちろんそうです。
マウント・アブーからアーマダバードは225kmほどの道のりで、バスで約6時間かかります。
料金はと言いますと、私が買ったチケットは150ルピー(約300円)でした。
わざわざ「私が買った」と言ったのは、料金はバスのランク以外にも、チケットを発行する旅行社によって違うからです。なにしろこの時渡されたチケットは手書きのもので、しかも料金の項目には数字が記入されておらず、ただ「paied」と書き込まれているだけでしたので、いったいそれが正価なのかぼられているのかよくわからないのです。
しかしまあインドのバスやトラックの運転席というのは、いつ見ても「なんか変なんだよなあ」と思ってしまいます。
近代的な工場で生産されている自動車というイメージからは程遠く、なんだか大工さんが造った家のような感じなのです。どうです、このやけに四角いドアと窓、そしてその上に並ぶスイッチの数々。これはやっぱり家ですね、家。
さて、実はこのバスは内部が二階建ての構造になっています。
一階部分は普通のシートなのですが、二階部分がベットになっているのです。ちょっと考えると、同じ乗るならベッドの方が寝っ転がって行ける分楽なような気もしますが、二階部分は下に比べて横揺れが激しいと思うのです。特に今回は山道を下って行きますのでなおさらだと思います。
それに昼間の移動でしたので、シートに座って景色を眺めていた方が快適だろうということで、私は迷わず椅子席を予約しました。
しかしかなり無理して二階建て構造にしてありますので、一階席の天井はこんな風にかなり低いです。なので座高が高い人などはのけぞって座るか、常に首をかしげながら座っていなければならないので大変なのです。また二階に上がるための梯子がジャマでかなり入りづらい席なんてのもあり(私が座った場所です)、その上前のシートの背もたれを倒されるともう完全に出入り不可能になってしまったりするのです。これは実に不便ですし恐ろしいです。万が一事故などが起きた時にも、簡単に脱出できないだろうと思うととても不安になってしまうのであります。
でもまあすでにチケットは買ってしまいましたし、またマウント・アブーから出る手頃な交通手段が他にはありませんので、運を天に任せて、いえ、運転手の腕を信じて身を任せ、一気に山を駆け下りて行くのであります。
さあ、揺れますからしっかりおつかまり下さぁ~い。ありゃ、これ壊れちゃってるよ・・・
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