デリーにはかのマハトマ・ガンディーゆかりの博物館がふたつあります。
ひとつはガンディーが暗殺された場所、そしてもうひとつは荼毘にふされた場所(のすぐ近く)に建てられています。
今回はそのうちの「暗殺の場所」にあるガンディー記念博物館(Gandhi Smriti Museum)のお話です。
ここはガンディーが最晩年を過ごした場所であり、また終焉の場所です。かつてのビルラ邸がそのまま博物館になっていて、ガンディーの起居した部屋や使用していた物などが展示されており、それらからガンディーの質素な生活振りを知ることができるのです。
そんなガンディー記念博物館を20年ぶりに訪れてみましたら、係員がしきりに二階の展示物を見て行くように勧めていました。確か20年前には二階に展示室なんてなかったと思うのですが、それならそれで初めて見るものなわけですから、私は二階に上がってみました。
二階には案内のおねえさんがいて、一緒に二階に上がった数名をひきつれて展示物を説明して行くのですが、そのどれもがハイテク技術を使ったオブジェなのです。
たとえば白い砂を敷き詰めたお盆の上に手をかざすと、ガンディーからのメッセージ(生前の言葉かなにか)がレーザー光線で砂に書き出されるものとかです。
まあそのどれをとっても確かにガンディーに関係したもので、彼の偉業を後世に伝える手段のひとつではあるのですが、どうも先ほど階下で見て来たガンディーの質素さとはかけ離れたもののように思えてなりません。
しかも案内のおねえさんはそれらをごく簡単に説明しては、どんどん先に進もうとして、あまつさえ展示物に触ろうとすると「Don’t Touch !」と怒るのです。
そしてそんなハイテク展示物の最後を飾るのが「ガンディー列車」(写真のもの)でした。これは汽車の運転席にテレビモニターがあり、ガンディーが巡った場所を紹介するというものなのですが、ここでも案内のおねえさんはごくごく簡単にこの展示物の説明をしました。ええ、展示物としての説明です。ガンディーの足跡や偉業の説明ではありません。あくまでもこのガンディー列車の使い方を教えてくれたわけなのです。
なので早速運転席に入り込み、画面を操作しようとすると・・・
「Don’t Touch !!」
というお叱りの声が・・・
この展示物、
いったい何のためにあんのさ!
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