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2003年8月22日:パインズクラブ通信 第43号

         
  • 公開日:2022年8月6日
  • 最終更新日:2022年8月20日

暦の上では・・・

お盆も終わり、いよいよ8月も終盤に入りました。

とにかく今年は異常気象で、関東地方などは本当に梅雨が明けたのかどうか分からないような空模様が続いておりました。

雨が続くと何が困るかと言えば、やはり洗濯物の乾きが悪いということです。軒下などの雨の当たらない場所に干すのですが、特にズボンの乾きが悪く、これがちっとも乾かないのです。

私はとてもきれい好きなので、夏場は同じ服を2日間も着たりしません。ですから毎日1本ズボンが洗濯に回され、軒下の仲間に加わって行くことになります。そしてついにその数が5本に達したときです。私の脳裏にふとある不安が浮かび上がりました。
そうです、「明日はくズボンはあるのだろうか?」という不安です。

私は急いでタンスの引き出しを開けて見ました・・・

あらためて見た私のタンスの引き出しは、お盆期間中の通勤電車並みに空いているではありませんか。Tシャツなどもかなり減っており、普段はあまり登場することのない色あせたものや、どこかでもらった「とても外へは着て行かれんだろう!」といったものが、自分の出番の近いことを察知して嬉しそうに顔を覗かせています。ブリーフなどもゴムがでろでろに伸びてすでにその役目を果たしそうにないものなどが再発見され、涙を誘ったりしています。よく「タンスの肥やし」などという言い方をしますが、ブリーフなどは一番「肥やし」に近い場所で働いていたのでシャレになりません。引き出しから芽が出て来そうです。

さて、肝心のズボンは・・・・

あっ、下の方に1本隠れていました。よかったよかった。

さっそくそのズボンを引っ張り出してみましたら、あらら・・・コールテンのズボンです。
いくら冷夏とはいえ真夏にこんなケバ立ったものをはくのはいやです。

なんとか真夏にコールテン姿で新宿を歩くことは避けたいと、さらに探してみたのですが、他のズボン類といったら何枚かの短パンがあるだけでした。一応真夏なんだから短パンならいいじゃないか、というご意見をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、私の短パンは最近よく見かける丈の長めのものではないのです。私はあの中途半端な長さの裾が、腿にまとわり付くのが嫌いなので、すごく短いマラソン選手のような短パンしか持っていないのです。

そして私は毎日電車に乗って新宿まで行かなければならないのです。ちょっとその短パンでは・・・しかもゴムの伸びきったブリーフとの組み合わせでは世間が許さないでしょう。

そしてこの時私はようやく気付いたのです・・・・・

「あんまし服持ってなかったんだ」と・・・

考えてみればそうでした。

私はタンスの引き出しを三つ分け与えられているのですが、冬用のコールテンと夏用の短パンが同居しているのです。
冬用パジャマのスウェットスーツと夏用パジャマのTシャツが、四季を問わず同居しているのです。

私のタンスの引き出しを仮に「地球」だとすると、人間も動物も植物も、みんな仲良く平和に暮らしていることになります。
白人も黒人も黄色人種もみんな仲良く暮らしているのです。
ライオンとシマウマも、クジラとオキアミも、おすぎとピーコもみんな仲良く暮らしているのです。

もしかしたらジョン・レノンは、私のタンスの引き出しを想像しながら「イマジン」を作ったのかもしれません。

「世界中で戦争を繰り返している人! 私の引き出しを見に来い!」

そんなことを考えていたら、明日はいていくズボンのことなんかとても小さいことに思われたのでした。

*このメルマガの後半へ続く

〔本題〕実際のメルマガではここに新着情報などが載ります。

*このメルマガの前半からの続きです。

さて、ズボンのことはもういいです。
半乾きでもはいていればなんとかなるでしょう。

確かにまだ濡れているものを着るのはちょっといやなものですが、要は気持ちの持ちようです。
明日また雨が降っていたら「はく時は乾いていたんだけど、歩いているうちに雨で湿ってしまったんだ」と思えばいいですし、もし晴れて暑くなれば「はく時は乾いていたんだけど、歩いているうちに汗で湿ってしまったんだ」と思えばいいのです。

さて、そんな雨の降り続く日、いつもの様にお店に到着してスニーカーをサンダルに履き替えようとしましたら、なぜか左足のかかとが濡れているじゃありませんか。
はて、どうしたんだろうと不思議に思ったのですが、その日はそのまま忘れてしまいました。

翌日も雨だったのですが、お店でスニーカーを脱ぐとやっぱり左足のかかとだけ濡れています。

いくら雨が降り続いているとはいえ、歩いて来る道は舗装されたところばかりで、多少水が浮いている場所があっても「水溜り」というほどのものはないの
です。

そこで思い出したのが稲川淳二の話です。

詳細は忘れましたが、とある有名な怪談ものの舞台講演の稽古中にいろいろな怪現象が起こり、その中のひとつに「舞台がびっしょり水で濡れていた」というものがあったのです。

私は濡れたかかとを見つめながらその話を思い出し、背筋に冷たいものが走るのを覚えました。背中も濡れてしまったのかと思ったくらいです。

そして、

「もしかしてこれは何かののたたりではないのか?」

と、思ったのです。

しかし私はそんな風に考えながらもまだ半信半疑でした。なにしろ私は心優しいラララ科学の子なので、そんな霊現象なんか信じません。だからテレビで心霊写真特集なんかやってると、すぐにチャンネルを変えてしまうほどなのです。

やはりここは科学で解明しなければならないでしょう。

そこでスニーカーをひっくり返して見たら、あらら・・・かかとの部分が磨り減って破けており、中のスポンジが覗いているじゃありませんか。

なるほど、原因はこれだったのか・・・

つまり一歩踏み込むたびにスニーカーのかかとが圧縮され、再び路面から離れる際に元の形に復元しようとするかかとのスポンジが、路面のわずかな水を吸い上げていたのでした。スポイトと同じ原理です。

私の追及心と科学の力は稲川淳二の霊現象説を、まさしくスニーカーらしくクツがえしたのです。

原因が分かったので、あとは左足は水のあるところを避けて歩けばいいだけです。

ところがこれが意外に難しく、なぜか左足が着地する場所に限って水の浮いていることが多いのです。それを避けるには、歩きながらしょっちゅう歩幅を変更したり、右足と左足の繰り出す順番を変更したり、左足の着地地点を変更するためにジャンプしたりしなければならず、周りの人に「何か憑きものでも憑いてるんじゃない」と思われてしまいます。

もしかしたら本当に何かのたたりかもしれません・・・つーか、新しいクツを買えばいいんじゃん。

まったくこの天候のせいで、ずいぶん物入りになってしまいました。

異常気象は私のサイフにまで影響を及ぼし、自然の前ではいかに人間が無力であるかを、あらためて思い知らせるのでした。

「スニーカー、左足だけ売ってくれぇ~」

来週は当店の夏休みでメルマガもお休みです。

次回は再来週の木曜日(9/4)、相変わらずの内容でお邪魔させて頂きます。

それまでごきげんよう!

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