これはダイヤル式のチェーンロックである。
プラスチックのボディに収納された細いワイヤーをシュルシュルッと引き出し、先端の金具を所定の位置にカチッと差し込み、ダイヤルをずらせばそれでロック完了!なのだ。
もしかしたら「こんなものいったい旅のどのシーンで使うんだよ?」と思われるかもしれないが、私は主に夜行列車で使うのである。
寝台車では荷物は下段ベッド(昼間は椅子となる)の下に突っ込む。もちろんベッドに持ち込んでも構わないが、たぶん相当寝づらいことであろう。
とにかくたいていの人は下段ベッドの下に荷物を突っ込む。でまあ自分も下段ベッドで寝るならまだいいのだが、上段ベッドに上がるとなると大切な荷物とはしばしのお別れとなる。
そうなると夜中に荷物を誰かに持ってかれないだろうかということが心配になる。そんなことは心配になんか思わない人でも、朝起きて荷物がなくなっていたらさぞ困るであろう。
そこでこのチェーンロックで荷物を固定するわけである。
どうやってかと言えば、下段ベッドの下の床には固定用の金具や鎖がちゃーんと付いていて、そいつを利用すれば簡単なことなのである。
とまあインドの列車には元々そういう盗難防止用の器具が設置されているくらいなので、災難に遭う前に自分で出来る防衛策は取っておいた方がいいと私は思うのである。
しかしこのチェーンロックは所詮細いワイヤーであるから、ペンチとその気があればいとも簡単に切られてしまうであろう。
なのであまりにも周りの人を「疑ってますよ!」的な雰囲気をプンプンさせていると、逆に反感を買って荷物をロック・オン!されてしまうかもしれないので、鍵だけ掛けずに周りの人にも愛想よく一声掛けておくのも必要なのである。
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