インドで現在(2007年1月時点です)出回っているお札は7種類あります。 内容は5ルピー、10ルピー、20ルピー、50ルピー、100ルピー、500ルピー、そして1000ルピーです。
そのうち5ルピー札に関しましては、次第にコインにその場を奪われつつあるようで、たまに回って来るものは、かなり汚れてボロボロになったものだったりします。
で、そのボロボロのお札というのがとても困るのです。インド人が受け取ってくれないのです。
特に切れているお札はまず受け取りません。切れて一部が無くなってしまっているものはもちろんのこと、ちょっと切れ込みが入っただけで、まだくっついているものなども受け取ってもらえないことが多いです。たとえ顔の横で人差し指を立てて「切れてないっすよ!」と言ってみてもダメで、時には「どれどれ、じゃあこうしよう」と言って、切れた箇所をセロハンテープで修復してくれたりすることもありますが、その場合も直したものを受け取るわけではなく、こちらにそのまま返して来たりするのです。
そのような傾向は下町などに特に根強く残っているようで、新しいタイプの大きなお店などでは、あまり気にせずに受け取ってくれるようになって来ました。
しかしできればそのようなお札はなるべく受け取りたくないものです。なのでおつりをもらうときなどにはよく注意をして、もし破れたお札が混ざっていたら、その場で相手に付き返すようにしましょう。しかし相手も返されたくないものですから、得意の「ノープロブレム」を連発してブロックして来ますので、その壁に向かって力強くスパイクを叩き込まなければいけません。
さて、この写真のお札は、インドで現在(くどいようですが2007年1月の時点です)発行されている最高額紙幣です。
こちらは5ルピー札とは別の理由で、あまりお目にかかることがありません。高額過ぎるのです。ちょっとした買い物に使えないので不便なのです。なにしろ極小さなお店では、100ルピー札でさえおつりに困ることがあるのです。
まあ高額と言っても日本円で3千円足らずなのですが、インド人にとってはおそらく天皇陛下の10万円金貨くらいの感じでなのではないでしょうか。
今回はそんな、あまり見る機会の少ない1000ルピー札の画像を載せてみました。
表面の図案はご存知マハトマ・ガンディーの肖像画です。これは他のお札も同じです。(5ルピー札を含め、旧デザインの一部紙幣は除きます) 裏面のデザインは額面によって違うのですが、この1000ルピー札には、稲穂、コンバインによる稲刈り、海底油田採掘プラント、製鉄工場、人工衛星と並んで・・・いえ、並んではいません。それらの一番前面に、パソコンを使う女性の姿が描かれています。
最高額紙幣の絵柄になるものですから、どれもインド自慢のものなのでしょうが、その最前面にパソコンのオペレーターを持ってくるあたりは、国を挙げてIT産業の発展に力を注ぐ現状をみごとに表しているわけです。
そんなわけで経済発展目覚しいインドなのですが、それに伴い人件費や原材料が上昇傾向にあり、まあつまりはインフレ化しているわけですが、近い将来道端の物乞いも、「お腹がすいたよお、1000ルピーおくれよお」と言うようになるかもしれません。
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